「ママ、笑って」
夫の浮気がわかってからというもの、私は彼との将来を考えられなくなっていました。夫が帰宅する時間が近づくだけで気持ちが重くなり、家の中でも笑えなくなっていったのです。
そんなある日、子どもが私の顔を見つめながら言いました。
「ママ、怒ってるの?」
「ママ、笑って?」
その言葉を聞いた瞬間、胸が締めつけられました。自分では普通に接しているつもりでしたが、子どもには私のつらさが伝わっていたようです。
このままではいけない――。そう思った私は、離婚という選択をしました。
不安よりも大きかったもの
当時の私は仕事を辞めており、経済的な不安はもちろんありました。それでも、「子どもの前で笑える自分でありたい」という気持ちのほうが大きかったのです。
シングルマザーとしての生活は決して楽ではありませんでした。仕事と家事、育児に追われる毎日で、自分の時間はほとんどありません。それでも不思議なことに、以前より笑うことが増えていました。
今振り返ると、あのころは大変だった反面、子どもと最も濃い時間を過ごせた時期だったように思います。
離婚後に訪れた変化
離婚後も月に一度、子どもと元夫が会う時間を設けていました。最初は私自身も元夫と顔を合わせることに抵抗がありましたが、子どものことを考えると、その時間をなくしてしまうのは違うような気がしたのです。
すると、子どもは元夫との時間を楽しみにするようになり、私も子育てについて相談することが増えていきました。元夫も、以前より父親として真剣に子どもと向き合うようになったと感じています。
夫婦として一緒に歩んでいくことはできませんでしたが、子どもの親として協力し合える関係へと少しずつ変わっていきました。
離婚は決して簡単な決断ではありませんでしたし、「これが正解だった」と言い切れるものでもありません。それでも、あのとき子どもの「ママ、笑って」というひと言と向き合い、自分たち親子にとってより良い環境を選んだことに後悔はありません。
わが家にとって離婚は終わりではなく、それぞれが親として新しい関係を築くきっかけになったと感じています。
著者:さとう みく/40代女性・6児の子育て中。ヘアメイクの仕事を経験し、現在は保育関係の仕事をしている。自身の経験を元に、子育てや結婚などの記事を中心に執筆中。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)
※AI生成画像を使用しています
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