「お父さんが落ち着くまでコーヒーでも飲みましょ」
義母の提案で、お茶をすることになりました。すると、ノンデリだと指摘されて「じゃあもう何も喋らん!」とへそを曲げていた義父が、「お菓子!?」と反応。上機嫌な様子で、「みんな座れ〜!」とティータイム開始を促したのです。
「なんか……ごめん……」
申し訳なさそうにしている夫に、由美さんは労いと感謝の言葉をかけました。夫が義父のノンデリ発言からかばってくれたことが、うれしかったのです。
すると夫は、「お父さん、アレに似ているわ……」とぼそりと呟きました。
夫が気づいたこととは?







「デリカシーのない会社の先輩にそっくりなんだよ、俺のお父さん」
「えっ……」
夫は、父親のデリカシーのない言動を目の当たりにして、会社の先輩に似ていると由美さんに伝えました。女性社員に「そんなんじゃ結婚できないぞ」と爆笑して言うのだと話すと、由美さんはドン引き。デリカシーがないうえに、セクハラでもあると言いました。
「恥ずかしいんだけど……そんな先輩のこと尊敬していたんだ」
「……なんで?」
「自分でもわからない……」
今までは先輩に対して、人との距離を詰めるのがうまいという印象を持っていた夫。しかし、女性社員への態度を見て、デリカシーがないうえに、それを指摘しても謝らないような、全く尊敬できない人だと気づいたのだと言います。
「それに、気づいたんだ……」
「俺より一回り以上も歳上なのに、あの歳で部長にもなれず、平社員のままなんだ……!」
夫は、先輩がいまだに平社員のままなのは、きっと人間性に問題があるせいではないかと思いました。そんな先輩を尊敬していたなんて、盲目すぎた……。これまでの自分の態度も反省し、デリカシーのない発言や行動をしないように気をつけると、由美さんに対して誓ってくれたのでした。
◇ ◇ ◇
表面的な印象だけで人を判断してしまうことは、誰にでもあることかもしれません。しかし、憧れていた先輩の言動をよく見ていくうちに、本質的な部分が見えてきた夫。先輩の本質的な部分に気づいたことで、自分もかつて同じような言動をしていなかったかと振り返るきっかけになりました。
大切なのは、気づいたときに「自分はそうならないようにしよう」と素直に改めようとする姿勢ではないでしょうか。誰かを反面教師にして学び、自分をよりよくしていくことも、成長のひとつの形なのかもしれませんね。
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ミント