私のお寿司だけお子さまセット!?
妊娠中に、義実家での親戚の食事会に招かれたときのことです。豪華な高級寿司の出前が届き、みんなでテーブルを囲みました。ところが、私の前に置かれた桶だけ、なぜか様子がおかしいのです。マグロや中トロ、ウニ、いくらといった生のネタが並ぶ大人たちの席の中で、私のお皿はカッパ巻き、玉子、ツナマヨコーンと、どう見ても子ども向けの内容だったのです。
「え、私だけ扱いが違うの……?」と、そのときは悲しさと戸惑いで、どう受け止めていいのかわからなくなりました。
黙ってお寿司を見つめていると、「ちょっと待って、なんで一人だけメニューが違うの?」と親戚の女性が怪訝な顔をして言い出しました。
すると義母が「妊婦さんは生魚を控えた方がいいって聞いたから、専用に特製メニューにしてもらったのよ!」と、満面の笑みで答えました。意地悪で区別されたわけではなく、義母なりの気づかいだったのです。
そうわかった途端、親戚のみんなから「でもそれじゃ中身が完全に子ども用だよ!」と一斉に声が上がり、義母も「あ、本当ね!」と赤くなって、その場は大笑いに包まれました。結局、夫や義両親が、自分たちの煮あなごや蒸した車海老やカニなど、火の通ったお寿司と、私の玉子やかっぱ巻きなどを交換してくれて、かえって贅沢な解決になりました。
おなかのわが子も一緒に笑ってくれた気がします。あのときは戸惑ったけれど、義母の不器用なやさしさが今はありがたく思えて、家族で笑い合えたあの食事会は、私にとって大切な思い出になりました。
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妊娠中のお寿司は、必ずしもすべて避けなければならないものではありません。ただし、注意したいポイントがあります。
まずは食中毒です。妊娠中は免疫機能が低下し、食中毒にかかった場合に母体や胎児に影響することがあるため、リステリアなど一部の食中毒には特に注意が必要です。生ものを食べる場合は少量にとどめ、体調がすぐれないときや不安があるときは、加熱されたネタを選ぶのも一つの方法です。
もう一つは水銀です。クロマグロやメバチ、メカジキ、キンメダイなど一部の魚介類は水銀を比較的多く含むため、妊娠中は食べる量や種類に注意が必要です。水銀は加熱しても減らないため、生かどうかにかかわらず、魚介類の種類や食べる量に気をつけましょう。
今回ご家族が交換してくれた「煮あなご」や「蒸しエビ」のような火の通ったネタは、生ものが気になる妊婦さんでも比較的選びやすいものです。周囲の思いやりのおかげで、気兼ねなく食事を楽しめた心温まる出来事ですね。
監修:関根直子(助産師)
著者:山灘紀茄/30代女性/4歳の女の子を育てている母親です。最近はお菓子作りやサイクリングにハマっています。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)