「1週間以内に出ていけ!」突然の離婚宣告
ある日、夫からいきなり離婚を突きつけられました。「1週間以内に出ていけ」とのこと。夫いわく「運命の出会いがあった」そう。きれいに言い換えてはいますが、要するにただの不倫です。
「好きという気持ちは止められない」と開き直る夫を見て、私は出会ったころの記憶が蘇っていました。あのときは私に熱烈なアプローチをしてきたのに、本当に身勝手な男です。
夫は、一方的に慰謝料の話を進めました。それだけでなく「お前の父親をクビにする」と言い出したのです。
「元妻の父親が同じ職場にいるなんて気まずいだろ?」
あまりの横暴ぶりに、私は呆れ果ててしまいました。しかも、その不当解雇は社長である義父も了承済みだそう。夫は、自分が出した営業上の大きな損失をすべて父のミスに仕立て上げ、義父に偽の報告書を提出していたのです。
夫は信じられないことに、「俺がちょっと書類をいじってやったら、お前の親父のクビが一発で決まったわ!」と、裏で自分が画策して解雇へ追い込んだことを、まるで面白いいたずらが成功したかのように笑いながら打ち明けてきました。
「不当解雇だ!」と必死に抗議しましたが、夫は聞く耳を持たず……。「慰謝料を持ってさっさと実家に帰れ!」と怒鳴られ、私はこれ以上この男と同じ家にいたくもなく、荷物をまとめて実家へ戻ることにしました。
離婚を喜んだワケ
早く縁を切りたかったので、早々に離婚届の提出などの手続きを済ませました。すべて終わったあと、元夫から勝ち誇ったような連絡が入ります。
「急に離婚になって悪いな。ま、俺を恨まないでくれよ」
恨む? 私が? まさか。私は笑顔で「うん! 離婚できて本当にうれしい! お幸せにね♡」と返信しました。怒濤の急展開でしたが、私の心は驚くほど晴れやかで、うれしさで満ちあふれていたのです。
思えば、出会ったころの夫は、わが家に何度も押しかけてくるほど熱烈でした。若かった私はそれを「一途な人」だと勘違いしてしまったのです。
しかし結婚してからの3年間は、完全に家政婦扱い。夫は何かにつけて「お前の父親を解雇するぞ」と脅してきました。
そんな最低な言葉をニヤニヤしながら投げかけてくる男と、これから一生一緒にいるなんて絶対に無理です。だからこそ、夫からの離婚宣言は私にとって喜ばしいものでした。
夫からの連絡
それから3カ月後。元夫から再び連絡が入りました。なんと、彼は次期社長候補から完全に外されたというのです。
実は、元夫が大損害を出した重要な取引先は、私の母方の祖父が経営する地元の企業でした。祖父の会社が調査をおこなった結果、夫が父のミスだと主張していた損失は、すべて元夫自身が仕事をサボって遊び呆けていたせいだったという、動かぬ証拠が次々と出てきたのです。
祖父から決定的な証拠を突きつけられた義父(社長)は真っ青。言い逃れできなくなった元夫の会社側でも再調査が行われ、すべて裏目に出て自分の首を絞める結果となったのです。
身勝手な嘘で会社に泥を塗り、大パニックを引き起こした息子に対して義父は激怒。即座に次期社長候補から外されたのでした。
やり直したいと連絡があるも下心が見え見えで…
偉大な祖父の権力の前には、元夫など非力なもの。あれほど傲慢だった元夫はひたすら謝罪を繰り返し、ペコペコと頭を下げているのが伝わってくる始末。その態度は、今までのモラハラ男とはまるで別人でした。
さらには私のことをベタ褒めし、「もう一度やり直そう」とまで言ってきたのです。「運命の出会いがあった」と言っていたはずなのに、おかしな話です。
「もう一度チャンスをくれ!」と必死にすがり付いてきますが、この3年間、チャンスなんていくらでもあったはず。
そもそも、急に態度を変えて復縁を迫ってきたのも、私の祖父が地元で知られる企業の経営者だと知ったからに違いありません。「あわよくば祖父の会社に入社させてもらおう」というゲスい下心が丸見えでした。
もちろん即座に拒絶し、着信拒否。「二度と私の前に現れないで」と言い渡して、すべてを終わらせました。
父はその後、祖父の会社に入社。私たちは今、穏やかで毎日幸せな時間を過ごしています。これからは自分の気持ちを一番に大切にして、後悔のない人生を歩んでいこうと思います!
◇ ◇ ◇
最も近くで支えてくれる妻を軽視し、その家族をも傷つけ続けた代償は、あまりにも大きいものでした。自分の立場を過信し、すべてを失ってから相手の本当の価値に気づいても、一度踏みにじった信頼は二度と戻らないのだと、改めて深く考えさせられるエピソードですね。
【取材時期:2026年6月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。