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夫「もう俺は帰らない。離婚してくれ」私「は?あんた誰?夫は家にいるけど?」夫から突然のLINE…翌朝、青ざめたのは

長年、義兄ばかりを特別扱いしてきた義母が、突然、次男である夫に同居を迫るようになりました。断っても職場にまで連絡してくる義母に、夫は一人で話をつけると決意。ところが、その夜、夫のスマホから思いがけないメッセージが届いたのです。

 

突然「家族なんだから」と言い始めた義母

夫は二人兄弟の次男です。子どものころから成績のよかった義兄は何をしても義両親の自慢で、一方の夫は、悪いことなどしていなくても「お兄ちゃんを見習いなさい」と言われて育ったそうです。その関係は、大人になってからもほとんど変わりませんでした。

 

義兄が家を買えば義母は親戚中に写真を見せ、昇進すれば祝いの席を設けます。一方、夫が成果を上げても「よかったわね」の一言で終わりでした。夫は「兄貴は期待されているから」と笑っていましたが、その顔を見るたびに、私は複雑な気持ちになったものです。

 

そんな義母が急に夫へ頻繁に連絡してくるようになったのは、義父が仕事を辞めたころです。最初は近況を尋ねる電話でしたが、しばらくすると話題は決まって実家のことへ向かい、やがて「この家も広すぎるのよ。誰か一緒に住んでくれたら安心なんだけど」と口にするようになりました。遠回しな言い方でしたが、義母の望みは明らかでした。

 

義兄夫婦は実家から車で一時間ほどの場所に住んでおり、私はてっきり、まず義兄たちに相談したものと思っていました。ところが夫が確認すると、義母は「お兄ちゃんは責任のある仕事をしているし、子どももいる」と不機嫌そうに答えたそうです。要するに、義兄夫婦には頼めないから、私たちに戻ってきてほしいということでした。都合の悪いことは、いつも断りにくいほうへ回す。それが義母のやり方でした。

 

夫はその場で断りました。今の家からなら2人とも無理なく通勤できますが、義実家へ移れば私の通勤時間は大幅に増え、生活そのものを変えざるを得なくなります。それでも義母は諦めず、「家族なんだから助け合うのは当たり前でしょう」と電話のたびに繰り返しました。応じるうちに、夫の表情は少しずつ疲れていきました。

 

やがて義母は、夫の勤務先にも電話をかけてくるようになりました。「急用かと思って出たら、同居の話だった」と、帰宅した夫は申し訳なさそうにため息をつきます。

 

私は腹が立ちましたが、義母へ直接言う前に、まず夫の気持ちを聞くことにしました。夫はしばらく黙ったあと、「俺が中途半端に断るからだと思う」とつぶやき、週末に1人で実家へ行って、今度こそ同居するつもりはないと伝えると決めたのです。

 

 

「今度こそ、はっきり断ってくる」

当日の朝、夫はいつもより口数が少なめでした。私が一緒に行こうかと提案しても首を横に振り、「母さんは、何でもお前のせいにするから。今回は俺が決めたことだって、俺の口から言いたい」と言います。その言葉を聞いて、私は夫を1人で送り出すことにしました。


夫が帰宅したのは、夕方を過ぎたころでした。玄関を開けた夫は、疲れた様子ながらどこかすっきりした顔で、「ちゃんと断ったよ。同居はしないし、仕事中に会社へ電話するのもやめてくれって」と話してくれました。


義実家には、義母だけでなく義父と義兄まで同席していました。義母は夫が話をしに来ると知り、義兄まで呼んでいたそうです。義母は泣きながら「親を見捨てるのか」と夫を責め、義父は「母さんも不安なんだ」となだめる調子で同居を勧め、さらに義兄までもが「お前たちの方が身軽なんだから、実家へ戻るのが一番丸く収まる」と口を添えてきたといいます。

 

夫はそこで初めて義兄にも言い返し、自分たちにも仕事と生活があること、誰か一人が我慢すれば済む問題ではないこと、今後は兄弟で相談するけれど同居はしないことを伝えたそうです。義母は納得しなかったものの、夫は話を切り上げて帰ってきました。「怖かったけど、言えてよかった」と語る夫を見て、私も少しほっとしました。

 

 

夫のスマホから届いた「離婚しよう」

夜になり、リビングでテレビを見ていると、私のスマホにメッセージが届きました。送信者は、隣にいるはずの夫です。不思議に思いながら画面を開くと、そこにはこう書かれていました。


「ごめん、もう家には帰れない」

 

思わず夫の顔を見ると、夫も画面をのぞき込み、すぐに表情をこわばらせました。続けて、もう一通。


「離婚しよう」

 

の一文に、数秒、部屋が静まり返りました。夫は目の前にいます。そこで私は、夫が話し合いの途中で棚に置いたスマホを、そのまま実家へ忘れてきたことを思い出しました。となれば、考えられることは一つです。私は画面を見つめたまま、そう返信しました。


「は? 誰あんた」
「うちの夫は家にいるけど」

 

メッセージにはすぐ既読が付きましたが、返事はありません。隣の夫は、怒るより先に青ざめて「母さんだ……」とつぶやきました。思えば義母のやり方はいつもそうでした。正面から頼んで通らないと、相手が断りにくい状況を作る。夫が私の隣にいる可能性など、考えもしなかったのでしょう。話し合いで思いどおりにならず、腹を立てた勢いで送ったのかもしれません。義父が勝手に使うとは考えにくく、義兄はすでに帰宅しているはずです。夫が自分の番号にかけても、呼び出し音が鳴るばかりで誰も出ませんでした。

 

 

しばらくすると、今度は義母から私のスマホへ電話がかかってきました。義母は「変なメッセージが届いたんですって?」と戸惑ったように尋ね、夫のスマホはまだ実家にあるものの、自分も何が起きたのかわからないと言います。

 

まるで事情を知らないような口ぶりでした。

 

隣にいた夫が電話を代わり、「俺のスマホから送られたのに、本当に何も知らないの?」と尋ねると、義母はしばらく黙ったあと、「少し触っただけよ」と認めました。

さらに、「そんなに大ごとにしなくてもいいでしょう。まさか本気にするとは思わなかったのよ」と言い訳を重ねます。

 

離婚を切り出すメッセージを勝手に送りながら、問題を小さく見せようとする態度に、私はあきれてしまいました。夫は静かに、「明日、スマホを取りに行く。そのとき話そう。今日はもう話さない」と告げ、電話を切りました。
 

 

「俺を必要としてたんじゃないんだな」

翌朝、私たちは2人で義実家へ向かいました。玄関を開けた義母は、私まで来たことに顔を引きつらせ、「わざわざ2人で来たの?」と言います。

 

居間には義父もいましたが、私たちと目が合うと気まずそうに視線をそらし、「母さんから直接聞いてくれ」とだけ言って、口を閉ざしました。

 

夫がスマホを返してほしいと告げると、義母はしばらく視線をそらしたあと、居間の棚からしぶしぶ持ってきました。

 

「本当に、悪気はなかったのよ」


夫は受け取ったスマホを確認し、昨夜のメッセージを開いて、「じゃあ、どういうつもりで送ったの?」と尋ねました。義母はすぐには答えず、私が隣にいるせいか、何度も言葉を選ぶように口を開いては閉じます。やがて、「前に写真を見せてもらったとき、暗証番号を入力するところを見ていたのよ」と言い、それから「あの人が本気にして、あなたとけんかにでもなれば……少しは実家に戻ることを考えるかもしれないと思ったのよ。まさか、あなたがもう家にいるとは思わなくて……」と、絞り出すように続けました。

 

「だって、あなたがあの人と結婚してから変わったから」


夫が黙っていると、義母は少しずつ早口になり、こう続けました。

 

「昔はもっと素直だったでしょう? 親が困っていたら助けてくれたじゃない。お嫁さんがいなければ、あなたも実家へ戻る気になるかもしれないと思っただけ」


夫はしばらく義母を見つめたまま、何も言いません。義母はさらに、「お兄ちゃんには無理なのよ。あなたたちは子どももいないんだから」と重ねました。


そこで夫は、小さく息を吐いて言いました。

 

「俺を必要としてたんじゃないんだな」

 

義母が意味を測りかねるような顔をすると、夫は続けます。

 

 

「母さんが必要だったのは、断らない人間だったんだ。兄貴には嫌われたくない。でも俺なら我慢させてもいいと思ってたんだろ」

 

その一言に、義母の顔からさっと血の気が引きました。


「そんな言い方しなくても……。私は親として心配で」と、義母の声は急に弱々しくなります。夫はそれに動じず、「同居はしない。俺たちの生活を母さんが決めることもできない」と、落ち着いた口調で伝えました。仕事中に電話をすることや、夫婦の間へ勝手に入ることも、今後はやめてほしい。必要な連絡は兄弟で共有するけれど、緊急でなければすぐには応じない場合もある。そう、はっきり線を引いたのです。


義母が「親を見捨てるの?」と問うと、夫は首を横に振り、「見捨てるんじゃない。できることと、できないことを決めるだけだよ」と答えました。


その後、夫は義兄にも連絡を入れました。義兄は最初こそ「母さんも追い詰められてたんだ」と義母をかばいましたが、夫が「じゃあ、今後のことは兄貴も一緒に考えて」と返したとたん、急に歯切れが悪くなりました。結局、義両親はこれまでどおり自宅で暮らし、何かあれば兄弟で相談するという形に落ち着き、私たちが同居する話は立ち消えになりました。

 

 

しばらくの間、夫は義母から電話が来るたびに身構えていました。それでも、以前のように何でもすぐ引き受けることはありません。休日の電話も急用でなければ後でかけ直し、無理な頼みには「できない」と断る。そんな当たり前のことを、少しずつ積み重ねています。

 

義母との関係が、すぐに穏やかなものへ変わったわけではありません。それでも、誰かの機嫌をうかがって予定を決める日は目に見えて減り、2人で食卓を囲む時間が増えました。最近は休日の予定を、義母の都合ではなく、2人で相談して決められるようになりました。前から気になっていた温泉へ行こうと、夫と話しています。

 

◇ ◇ ◇


「家族だから」という言葉に負担を感じたとしても、それだけで自分を薄情な人間だと責める必要はないのかもしれません。抱えきれなくなる前に、できることとできないことを整理し、相手へ伝える。そうすることで、無理を重ねずに付き合える距離が見えてくるのではないでしょうか。

 

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ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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