ごあいさつの日が近づくにつれて私の緊張は高まり、不安でドキドキしっぱなし。そして当日、母は緊張する私を「お母さんの子だもの、大丈夫!」と送り出してくれました。
しかし、結果は彼の両親からあからさまに冷遇され、ほとんど会話も成り立たず……。耐えきれなくなった私は、「失礼します」とひと言だけ告げ、彼の実家を飛び出してしまいました。そして、すぐ母に連絡しました。
「彼の両親に会ったんだけどさ」
「ずっと無視されてたの……」
「そう、よかったじゃない!」
彼の両親に気に入られなかったと落ち込む私に、母は気に入られなくてよかったと言うのです。
ウソのような出来事
「え?」
母の言葉の真意がわからず困惑していると、とある出来事を教えてくれたのです。
実はその日の午前中、母の店に彼の母が突然やってきたそう。どうやら彼が母の店を教えたようなのです。彼の母は、結婚前にこちらとの格の違いを見せつけ、今後も自分たちの都合を通せる関係にしておきたかったようです。「息子の結婚相手の親の店なんだから、身内割引でタダにして当然よね」と、無理な要求をしてきたのだとか。
彼の母はスタッフに対して高圧的な態度をとり、長時間居座って商品を次々と試着した挙げ句、「接客が悪い」と文句まで言ったとのことでした。午前中、母は不在でしたが、午後に店へ戻った際、スタッフから報告を受け、防犯カメラの映像を確認。事実を知った母は、あきれ果てていました。しかも、その場には彼も同行していたというのですから、本当に驚きました。
ごあいさつの席で私が冷遇されていたときも、彼は親の顔色をうかがうばかりで、まったくフォローしてくれませんでした。母の店でも、自身の母の横暴な振る舞いをただ黙って見ていただけだったそうです。母も私も、彼や彼の母の態度に不信感を抱き、結婚は考え直そうという話になりました。
非常識極まりない彼の母
翌日、見知らぬ電話番号から連絡を受けた私。相手はなんと、彼の母でした。まず、結婚のあいさつの途中で帰ったことをなじられました。「最初から気に入らなかったけれど、本当にパッとしないし、空気の読めない非常識な人だ」と。あんなに無視され続けたら、普通は帰ると思うのですが……。
それを受け、今度は私が母の店での非常識な態度を指摘しました。すると彼の母は、「そっちの態度の悪い接客で傷ついた」と店やスタッフへのクレームを言ってきたのです。しかし、スタッフを困らせていたのは間違いなく彼の母でした。
その上、彼の母は母子家庭である私たちを見下すような発言までしてきました。片親でしつけのなっていない私を嫁として迎えようとしてあげたのに、その態度はなんだと言います。そして「結婚を許してほしければ、お宅の店で1番高価な商品を持って謝罪に来なさい」と言い出しました。
彼の母は、私が「大企業に勤める彼との結婚を逃したくない」と考えていると、勝手に決めつけていたのでしょう。結婚を盾に無茶な要求をしてきたのです。
「温情をかけてやる」とまで言われましたが、こんなひどい人たちと家族になるくらいなら、結婚したくありませんでした。
人生の伴侶としてふさわしくない
もちろん、彼との結婚は取りやめました。すると、親の言いなりだった彼は一転して私に執着し、「彼女と結婚できないなら母さんと父さんと縁を切る」と言い、家で暴れるようになったそうです。彼の母は、息子が荒れたのは私のせいだと思っているようで、責任を取れと連絡してきました。
それから彼の母は、私に彼との復縁をしつこく迫ってくるようになりました。どうやら、母の店が地元で長く愛されており、顧客に経営者や地元の名士が多いことを後から知り、手のひらを返してきたところもあるようです。
しかし、彼に対する気持ちは完全に冷めていました。彼は親の言いなりなのに、自分の思い通りにいかなければ機嫌を悪くし、子どものように駄々をこねて当たり散らす……。人生の伴侶としてふさわしくありません。
その後、彼の母が私の職場の近くにまで押しかけてきて復縁を迫るようになったため、警察に相談し、彼の母に接触を控えるよう注意してもらいました。結果、彼の母はおとなしくなってくれましたが、彼の家は相変わらず険悪なままだと彼との共通の友人から聞きました。
次はしっかりと相手を見極めて、人生の伴侶を見つけたいと思いますが、しばらくは今まで通り母と仲良く楽しく暮らそうと思います。
◇ ◇ ◇
人生100年時代と言われる昨今。長い人生を共にする相手だからこそ、本人だけでなく、家族との関係性にも目を向けることが大切です。相手の家族に違和感を覚えたときは、第三者にも相談しながら冷静に自分の将来を判断したいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※一部にAI生成画像を使用しています