「好き」と言ってほしかっただけなのに…
その日は久しぶりのデートでした。
朝からあまり体調は良くなかったものの、楽しみにしていた約束だったので予定通り出かけることに。デート中は普段と変わらず他愛もない会話をしていましたが、体調のせいか少し気持ちが不安定になっていた私。
そのときの私は、安心できる言葉がほしかったのかもしれません。彼の顔を見て、何気なく聞いてみました。
「ねえ、私のこと好き?」と。
すると彼は突然黙り込み、少し考えるような表情を浮かべました。私はすぐに「好きだよ」と返ってくるものだと思っていたので、その反応に思わず戸惑ってしまいました。
そして、彼は静かにこう言いました。
「何でそんなこと聞くの? わざわざ時間を作って会ってるんだから、それでわかるでしょ」
その言葉を聞いた私は、思わず言葉を失いました。私がほしかったのは、「好きだよ」という、たったひと言。それだけだったのです。
話せば話すほど、すれ違っていく私たち
私は気持ちを切り替え、「最近忙しかったけど、会いたいって思ってた?」と聞いてみました。
ところが彼は少し困ったような表情を見せると、「そういう駆け引きはやめてほしい」と冷たく返してきたのです。
私は駆け引きをしたかったわけではありません。ただ、言葉で気持ちを確かめて安心したかっただけ。それでも彼には、愛情を試されているように感じたのかもしれません。そして彼は続けて、「俺は行動で示す派だから」と言いました。
その考え方も理解はできます。でも、私の寂しさは埋まることはありませんでした。
最後まで埋まらなかった価値観の違い
その後、彼はコンビニで飲み物を買ってきてくれました。体調が悪いことを気にかけてくれていたのだと思います。
だからこそ私は、「行動で示してくれるのはうれしい。でも、時々言葉でも伝えてくれたら安心できるんだ」と素直な気持ちを伝えました。
すると彼は少しあきれたように笑い、「そんなことで安心したいなら、俺じゃなくてもいいんじゃない?」と言ったのです。
私はそれ以上何も言えなくなり、その日は予定より早く帰ることにしました。その帰り道、「私たちは根本的に考え方が違うのかもしれない」と考えていたのを覚えています。
結局、私たちはその後もしばらく付き合いましたが、価値観の違いは最後まで埋まらず、お別れすることになりました。
あのときは、お互いに「自分にとって当たり前」の愛情表現しか見えていなかったのかもしれません。恋愛では、言葉と行動のどちらが大切ということではなく、お互いが心地よいと感じる伝え方を知り、歩み寄ることが大切なのだと学んだ出来事でした。
著者:榊原愛七/30代女性・1児の母。看護師・カウンセラー兼、恋愛エピソードを執筆するライター。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)
※AI生成画像を使用しています
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