トモルが泊まりがけの出張に出ていたある日、緋沙未は慰謝料を受け取るために不倫相手と再度の面会をしますが、渡されたのは事前に調べていた相場よりも大幅に少ない30万円……。
不倫相手は料理店を開業するために資金の余裕がなく、「私が払えるギリギリのお金が30万円だけなんです!」と訴えますが、緋沙未は納得できません。
一方の不倫相手は、出張中の夫に告げ口のようなメッセージを…!?





















妻に隠れて不倫を働いておきながら、トモルはこともあろうに「あの子から慰謝料として30万も取ったって聞いたけど」——。
夫のあり得ない発言に緋沙未はショックを受け、涙ながらに「私は一生、離婚届にはサインしない」と伝えると、トモルは「わかったよ」と言いながらも深いため息をついたのでした。
不倫をされたショックは、それだけでも重大。それにもかかわらず、「あの子から慰謝料として30万も取ったって聞いたけど」だなんて、まるで緋沙未を悪者扱いするような言葉を放ったトモル。緋沙未がさらなるショックを受け、声を荒らげてしまったのも無理はありません。
しかし、緋沙未は大きなショックを受けながらも「私は一生、離婚届にはサインしない」と宣言——。それは単に夫への執着ではなく、理不尽な裏切りをされても決して引き下がらないという、決意の表れだったのかもしれません。
そして、不倫を働いた夫と離婚するかどうかは、感情面だけでは判断できない側面があることも事実ではないでしょうか。緋沙未とトモルの間には子どもがいるため、離婚するとなれば、わが子にも影響があるはずです。
緋沙未の言葉に深いため息をついたトモルの態度を思うと、それだけでも冷静ではいられず、すぐさま離婚届を突き出したくなったとしても、おかしくありません。けれど、まずは一度、心を落ち着かせる。そのことが自分だけでなく、わが子を守ることにもつながるのではないでしょうか。
紙屋束実
