育児に追われる毎日
当時、私は2人目を出産したばかりでした。
初めての2人育児は想像以上に大変で、毎日寝不足。授乳やおむつ替え、上の子のお世話に追われ、自分のことは後回しの生活が続いていました。
夫もできる限り育児に協力してくれていましたが、授乳など私にしかできないことも多く、肩や腰の痛みに悩まされる毎日でした。
慌ただしい日々を過ごすうちに、自分の誕生日が近づいていることさえすっかり忘れていたのです。誕生日当日の朝、出勤前の夫から「誕生日おめでとう。プレゼントを用意してるから、帰ったら渡すね」と言われて、ようやく思い出しました。
そのひと言だけで気持ちが明るくなり、「何をくれるんだろう」と久しぶりにワクワクしながら一日を過ごしたことを覚えています。
アクセサリーかと思いきや…!?
その日の夜、夕食を終えると夫が「はい!」と言って、小さな箱を渡してくれました。
手のひらに乗るくらいの大きさだったので、「アクセサリーかな?」と期待が膨らみました。
ドキドキしながら箱を開けると、中に入っていたのは、学生のころによく使っていた単語カード。思わず「えっ?」と声が出てしまいました。
おそるおそる1枚目をめくると、そこには大きく「肩たたき券」と書かれています。さらに次のカードをめくっても、その次をめくっても、出てくるのはすべて肩たたき券。
思わず「いや、小学生じゃないんだから!」とツッコミを入れてしまいました。
正直、「券じゃなくて、その場で肩をもんでほしい!」と思いました。さらに、「どうせならマッサージ機だったらもっとうれしかったのに」と、心の中で苦笑いしてしまいました。
当時は育児に疲れ切っていて、その場では素直に笑う余裕はありませんでした。
それでも今振り返ると、私の疲れを気にかけて、「少しでも楽になってほしい」と考えてくれた夫なりの気持ちが込められたプレゼントだったのだと思います。
もちろん、「肩たたき券は小学生みたいでしょ!」と今でも夫をからかうことはあります。でも、そのたびに2人で笑い合えるので、今ではわが家の大切な思い出のひとつになっています。
著者:せたがや太郎/30代女性・3児の元気いっぱいの子どもを育てるフルタイムママ
イラスト:マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)
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