家族旅行に私だけ行けない理由
私は以前、父との何げない会話の中で、義家族と旅行の予定があると話していました。そのため出発日、父から「旅行、楽しんできてね」とメッセージが届きました。
私はしばらく迷った末、「私、旅行には行かないよ。家に残って仕事をすることになったの」と返信しました。
すると、すぐに父から電話がかかってきました。父から心配そうに理由を尋ねられ、私はそれまで我慢してきたことが一気にあふれそうになりました。旅行に自分だけ参加できないことも重なり、もうひとりで抱えるのはつらいと感じ、これまであまり話してこなかった義家族との生活について少しずつ打ち明けました。
今回の旅行については、義母から「旅行は私たち家族だけで行ってくるわ。あなたは家に残って仕事してちょうだい」と言われ、私だけ留守番をすることになったのです。夫も義母に逆らおうとはせず、「母さんが決めたことだから、今回は我慢してくれ」と言うだけでした。
それだけではありません。私は大学を卒業後、公認会計士を目指して経験を積み、資格取得後はその知識を生かして働いていました。結婚後は義家族の会社の経理を手伝うようになりました。当初は前任の経理担当者がおこなっている業務の補助という形でしたが、その担当者が退職してからは、私がひとりで経理をおこなうようになりました。
義母からは「身内なんだから、外の人と同じだけ払う必要はないでしょう」と言われ、仕事量に見合うとは思えない報酬のまま、ひとりで経理業務を任されるようになっていたのです。
私が報酬のアップや業務量の調整をお願いすると、義母からは、
「高学歴だからってえらいわけじゃないのよ」
「それだけ勉強したなら、このくらいできるでしょう」
と言われることもありました。それに加えて、家事の多くも私が担っていました。
感情を抑えきれず、父に涙ながらにこれまでの事情を伝えると、父は驚いた様子で、「どうして今まで黙っていたんだ」と聞きました。そして、「一度、実家に帰ってきたらどうだ」と言ってくれました。
私はすぐには返事ができませんでしたが、改めて「このままでいいのだろうか」と真剣に考えるようになりました。
「あなたがいないと仕事が回らない」
父と改めて話し、急ぎの作業を整理した上で、私はしばらく実家で過ごすことにしました。
その日のうちに、義母と夫へその旨を連絡しました。私は、「急ぎの作業は整理しておいたので、しばらく実家で過ごします。今後については、夫が旅行から戻った後に話し合います」とメッセージを送りました。
するとすぐに、義母から電話がかかってきました。
「勝手なことをされたら困るのよ。あなたがいなかったら、会社の経理はどうするの?」
「家族なんだから家のことを手伝うのは当然でしょう?」
強い口調でそう言われ、私は思わず言いました。
「家族旅行には連れて行かないのに、仕事だけは都合よく私を家族扱いするんですね」
義母は一瞬、黙り込みました。私は続けて、「これまで家族だからと思って仕事も家事も手伝ってきました。でも、もうこれまでと同じように手伝うつもりはありません」とはっきり伝えました。
これまでの私は、義母に嫌われることが怖くて、言いたいことを飲み込んでばかりでした。しかし、父に背中を押され、そのとき初めて、これまで飲み込んできた気持ちをはっきり口にすることができたのです。
我慢を続ける生活に区切りをつけて
義家族が旅行から戻った後、私は夫と何度も話し合いました。夫は、「母さんも悪気があったわけじゃない」「家族なんだから、少しくらい助け合うのは普通だろう」と言うばかりでした。
私はこれまで、夫ならいつか私の気持ちをわかってくれると思っていました。けれど、私がどれだけつらかったのかを話しても、夫は義母をかばうばかりでした。
そこで私は、このまま同じ生活を続けることは難しいと感じました。その後は別居を続け、必要な手続きについて専門家にも相談しながら、夫と話し合いを重ねました。そして最終的に、離婚することになりました。
私が経理の仕事から離れた後、義家族の会社では新たな担当者を探すことになったそうです。以前の私なら、「困っているなら戻らなければ」と思っていたかもしれません。しかし今は、「もう私が背負うことではない」と思えるようになりました。
自分の人生を選んで
現在、私はこれまでの経験を生かし、再び自分の仕事に向き合っています。
結婚生活がこのような形で終わったことに、何も思わないわけではありません。それでも、「家族だから」という理由で我慢を重ね、自分の気持ちを押し殺し続けることが、本当に幸せだったとは思えません。
私は、義家族に認めてもらうために頑張り続けていました。けれど今振り返ると、誰かに認めてもらうことばかりを考えて、自分がどうしたいのかを後回しにしていたのだと思います。
父が話を聞いてくれたことをきっかけに、ようやく立ち止まることができました。これからは、誰かに認めてもらうためではなく、自分が納得できる生き方を大切にしていきたいと思っています。
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家族の役に立ちたいという思いから始めたことでも、負担が一方に偏り、我慢することが当たり前になってしまうと、自分のつらさに気付きにくくなるのかもしれません。主人公は父に話を聞いてもらったことで一度立ち止まり、自分の人生について考え直すことができました。自分の気持ちを置き去りにせず、今の状況を見つめ直すことも大切なのだと感じさせられる体験談です。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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