緋沙未が夫の要求を突っぱねると、トモルは「別居しよう」と実家に帰ってしまいます。
過保護な義母はトモルの帰省に大はしゃぎ。猫なで声で「お夕飯ナニ食べたい?」と尋ねますが、トモルは「今夜も遅くなるから夕飯はいいよ」と毎晩のようにどこかへ出かけていき——。
実家に身を寄せながらも夜な夜な外出する夫の一方、サレ妻は…



















トモルは緋沙未と依都を会わせようとせず、裁判をちらつかされると「探偵を雇ったんでしょ? 弁護士を雇うお金なんてない」と高をくくる始末……。
緋沙未は夫の不倫に気づいた理由について「探偵を雇ったってウソだもの」と明かし、本当はトモルのスーツケースから不倫相手の電話番号が書かれたメモを見つけ、依都にたどり着いたことを打ち明けたのでした。
緋沙未に弁護士を雇うお金があるかどうかにかかわらず、トモルの発言は言語道断。不倫は民法上の不法行為であり、民事裁判を起こすのに弁護士の存在は必須ではありません。弁護士をつけずに自分自身で訴訟を進める「本人訴訟」という手段もあるため、トモルの発言は「弁護士を雇うお金がない緋沙未には裁判を起こせない」という誤認を狙ったハッタリにも思えてきます。
とはいえ、さも当然のように「弁護士を雇うお金もないのに裁判は起こせない」という趣旨のことを言われたら、その発言に流されてしまったとしてもおかしくありませんよね。
そうした事態を避けるには、自治体などによる無料の法律相談が助けになります。「法律のプロに相談しては、さらに夫婦関係がこじれてしまいそう……」と不安になるかもしれません。しかし、法律家には厳しい守秘義務が定められています。
間違った知識や相手のハッタリに流され、不利な立場に立たされないためにも「信頼できる相談機関がある」ということだけでも知っておくこと。その知識が、理不尽な状況から自分守るための防衛策になるはずです。
紙屋束実