緋沙未が夫の要求を突っぱねると、トモルは「別居しよう」と実家に帰ってしまいます。それから1カ月後、夫の様子を探るために依都を呼び出したところ、現れたのはまさかのトモル。
トモルは緋沙未と依都を会わせようとせず、緋沙未から裁判をちらつかされると「探偵を雇ったんでしょ? 弁護士を雇うお金なんてない」と高をくくりますが、緋沙未は夫の不倫に気づいた理由について「探偵を雇ったってウソだもの」と打ち明け——。
探偵を雇ったというのはウソ、サレ妻から真実を聞かされた夫は…















不審なメモ書きの痕跡を見つけた緋沙未は抑えきれないほどの不安に駆られ、浮かび上がった番号に電話……。
電話口の向こうから聞こえる嬉々とした女性の声に、緋沙未はトモルの不倫を確信したのでした。
実母の忠告を心の奥にしまい込み、モヤモヤが残り続けたとしても不倫の可能性から目を背けたとしたなら、緋沙未は傷つかずに済んだかもしれません。そう考えると「不倫を確かめるなんて、しなければよかった」と後悔の念がよぎったとしてもおかしくありませんよね。
しかし、後悔する必要はありません。不倫の可能性から目を背け続けたままでは、トモルは妻子に隠れて不貞を続け、家族を裏切り続けていたことでしょう。そして、いつか隠し事が明るみに出たとき、裏切りの期間が長ければ長いほど、裏切られた側のショックは大きくなるはずです。
夫の不倫を確かめ、つらい現実に直面した緋沙未のように、不都合な現実から目を背けずに向き合うことは、時に強い痛みを伴います。けれど、裏切りを放置せず勇気を持って立ち向かうことこそが、理不尽な状況から自分自身の人生を守る強さになるのだと気づかされますね。
紙屋束実
