義父を見送った直後、義母と義妹は…
義父は私が結婚したころにはすでに体調を崩しており、日常生活にも手助けが必要な状態でした。それでも、身寄りのなかった私にとって、家族として温かく接してくれた夫と義父は心の支えでした。
夫も仕事の合間に義父の世話をしていましたが、夫が4年前に亡くなってからは、介護サービスの力を借りながら、私が通院の付き添いや身の回りの世話の多くを担うようになりました。在宅で仕事を続けながら家事の多くも担い、毎月生活費を義母に渡していました。
決して余裕のある生活ではありませんでした。それでも夫を亡くした私にとって、いつも気にかけてくれた義父は大切な家族でした。義父のために自分ができることをしようと、何とか踏ん張ってきたのです。義母は見て見ぬふりを決め込んだようで、家事や介護、生活費について、私の負担が減ることはありませんでした。
一方、仕事をせず実家で暮らしていた義妹は、義父に対して心ない言葉を口にすることがありました。義父が亡くなった後も悲しむ様子はほとんどなく、「正直、やっと落ち着いた」と言ったのです。
さらに、葬儀後の片付けも残る中、義母と義妹は以前から予約していた温泉旅行をキャンセルせず、予定通り出かけました。私は義父が使っていた介護用品を整理し、葬儀後の細かな片付けを進めるため、ひとり義実家に残ることに。
すると旅行先の義妹から、「露天風呂付きの部屋よ♡」というメッセージとともに、楽しそうな写真が送られてきました。続けて届いたのは、「私たちが帰るまでに、お父さんの荷物も整理しておいてよ?」という言葉。
腹が立たなかったと言えばウソになります。しかし、これ以上言い争う気力も残っていませんでした。
「お義父さんは物をあまり持っていなかったから、明日には終わると思います」
私は淡々と返信しました。
「役目は終わった」義妹から告げられた言葉
すると義妹から、すぐに返事が届きました。
「あ、そう。じゃあもう終わりだね。お義姉さんも自分の荷物を整理しておいて」
一瞬、何を言われているのかわかりませんでした。
「どういうこと?」と尋ねると、義妹は立て続けにメッセージを送ってきました。
「お父さんが亡くなって、もうお義姉さんの役目は終わったから、家を出ていって」
「お母さんも、それでいいって言ってるから」
私はしばらくスマホの画面を見つめていました。夫が亡くなった後も義実家に残り、義父の介護を続けてきた私。家事の多くも引き受け、在宅で仕事をしながら毎月生活費も入れていました。それでも義母と義妹にとって、私は「家族」ではなく、ただ都合よく動く人だったのでしょう。
不思議と涙は出ませんでした。
「わかりました。出ていきます」
そう返信した瞬間、迷いは消えました。私は自分の荷物をまとめ、義母たちが旅行から戻る前に義実家を出ました。在宅で働いていたため自分の収入はあり、ひとまずホテルに滞在しながら、今後の住まいを探すことにしたのです。
義妹から届いたSOS
義実家を出て数カ月後、義妹から何度も電話がかかってくるようになりました。最初は出ませんでしたが、あまりに着信が続くため、しぶしぶ電話に出ることに。
すると義妹は、以前とは別人のような弱々しい声で言いました。
「お義姉さん、ごめんなさい! 謝るから戻ってきて!」
話を聞くと、私がいなくなってから家事が回らず、家の中も片付かなくなっているとのこと。
さらに、家計を改めて確認したところ、義父の遺産も旅行や日々の出費で想像以上に減っていたそうです。そこで初めて、私が毎月入れていた生活費が家計を大きく支えていたことにも気付いた様子。私からの生活費がなくなれば、これまでと同じ暮らしを続けるのは難しいと、義妹は焦っていました。
「お父さんが亡くなった後も、今までどおり何とかなると思ってたの。でも全然余裕がなくて……。お願い、戻ってきてよ」
私は静かに「私の役目は終わったんでしょう? 自分たちで何とかしてください」と答えました。義妹は何度も謝ってきましたが、私の気持ちは変わりませんでした。
実は義実家を出た後、私は役所に姻族関係終了届を提出し、義母や義妹との姻族関係を終了させていました。夫や義父のことを思うと、本当にこの決断でよいのだろうかと迷いもありました。それでも、義母や義妹とこれからも親族としてつながり続けることは、私には耐えられませんでした。
これまで十分に我慢してきたのだから、これからは自分の人生を優先してもいい。そう考え、私は手続きを終えたのです。
自分の人生を大切にすると決めて
振り返ると私は、「これ以上家族を失いたくない」という思いから、自分の負担や傷ついた気持ちに目をつぶっていたのだと思います。義父を最後まで支えたことに後悔はありません。ただ、それと義母や義妹からの扱いを我慢し続けることは、まったく別のことでした。
義実家を離れて初めて、自分で働いて得たお金も、自分の時間も、自分のために使っていいのだと思えるようになりました。これからは誰かに必要とされることばかりを考えるのではなく、私自身がどう生きたいのかを大切にしていこうと思っています。
--------------
身寄りが少ないからこそ、義家族とのつながりを失いたくないという思いもあった主人公。しかし、家族を大切に思うことと、自分だけが負担を抱え続けることは別なのかもしれません。義父と夫への思いを大切にしながらも、自分の人生を優先する決断をした主人公の姿から、自分の気持ちに目を向けることの大切さを感じさせられる体験談です。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!