炊飯器で「低温調理」はできないの?

一般的な炊飯器の保温温度は、約60〜75℃程度に設定されています。低温調理器の設定温度は約55〜70℃。「じゃあ炊飯器でいいじゃん」って思いますよね。
ですが、答えはNO!
保温機能は、あくまで炊き上がったアツアツの状態を「維持する」だけ。冷蔵庫から出したばかりの冷たいお肉をドサッと入れると、釜の中の温度が一気に下がります。
その状態で保温のスイッチを押すと、食中毒菌が増えやすい危険な温度帯(20〜50℃付近)で長時間放置されることに……。
残念ながら、炊飯器は低温調理器の代わりになれないんです。
安全のカギは「細かな温度管理」

低温調理では、食材の厚みに合わせて加熱温度や時間を細かく調整するのが基本。たとえば鶏むね肉なら「厚み3cmなら63℃で2時間加熱」が目安とされています。
これだけしっかり管理するからこそ安心して食べられるんです。
一方、保温機能はこのような細かい温度管理には不向き。
お肉を入れて保温のスイッチを押したときに、何時間で何度に到達するかという検証がされていません。
大手家電メーカーの日立も、公式サイトでこう説明しています。
保温機能を使った食材の調理は、当社の想定する使用方法ではないため、おすすめできません
最近は低温調理機能付きの機種もあるので、買い替えるときはその辺りをチェックしてみるのもおすすめです。
火が通ったように見えても菌は生きてる!?

「え、じゃあ今まで炊飯器で作ってた鶏ハムって危なかったの?」「中までちゃんと白くなってたけど……」と思う方もいるかもしれません。
でも、色が変わった=安全ではないんです。
菌を死滅させるには「中心温度63℃で30分以上(または75℃で1分以上)」の加熱が必要です。
実は63℃に達した直後の鶏むね肉も、63℃で30分加熱したものも、見た目はほぼ変わりません。
「白いから火が通ってるはず」とそのまま食べると、食中毒を引き起こすことも……。
こうしたリスクはお肉だけでなく加熱用の魚介類も同様です。SNSでこのようなレシピを見つけても、マネしないようにしましょう。
調理はNGでも「余熱で温める」ならOK!
保温機能を使った「調理」はNGですが、余熱を味方につけるのは大アリ!この熱を使って混ぜご飯を作るのがおすすめです。
炊き上がってスイッチを切った直後に、火を通さなくても食べられる食材をご飯にのせてふたを閉め、数分置きましょう。
たとえば、細かく刻んだ小松菜や大根の葉、菜の花。蒸気と余熱でほどよくしんなりとして、色鮮やかなご飯ができます。
また、乾燥桜えびや塩昆布、釜揚げしらすなども良いですよ。温めることで香りが立ち、ふっくらと仕上がりますよ。
炊きたての熱を味方につけよう!
炊飯器の保温機能はあくまで温かさをキープするためのもの。加熱調理はできませんが、スイッチを切った後の余熱をフル活用すれば料理の幅はもっと広がります。
向き不向きを知って安全に使いましょう!
※一部AI画像を使用しております。