つきまとい被害に遭っていた女性・ゆうきを助けたことをきっかけに、圭太は凪に隠れて彼女と連絡を取り合うように。既婚であることは伏せたまま、やり取りのたびに心を弾ませる日々。一方の凪は、家事や育児を任せきれない夜や、なぜかスマホを見つめて笑う圭太の姿に、これまでにない距離を感じ始めます。
夜遅くに帰宅した圭太を待っていた凪は、寂しかったと本音をこぼし、娘が眠っているからと夫婦の時間を持とうと誘いました。しかし圭太は「何言ってんだよ、急に」と笑って受け流し、汗をかいたからとシャワーへ向かってしまいます。勇気を出した思いを退けられたように感じた凪は、夫の気持ちが自分から離れているのではないかと不安を募らせました。
その裏で圭太は、ゆうきと過ごした夜を振り返り、「また会えるかな?」というメッセージを交わしていました。するとゆうきから「私は今からでも会いたいです」と返信が……。心が大きく揺れ始めた圭太のとった行動とは――。
夫の取った、後戻りできない行動
ゆうきから届いた「私は今からでも会いたいです」というメッセージ。「1人の部屋に帰って来たら寂しくてつい……」と続く言葉を前に、圭太の心は大きく揺れてしまいました。
「今から出かけるの?」凪に聞かれると、交番が財布を預かってくれているようだと説明する圭太。「私が運転しようか?」という凪の申し出も、飲んでいないからと断り、家を出ていきました。すらすらと嘘を重ねる自分が怖いと、圭太自身も感じていました。
車に乗り込んだ圭太は「俺も会いたいからそこまで行く」とゆうきに返信し、車を走らせます。待ち合わせ場所に現れた圭太を見て、「ありがとう……うれしい」と喜びをにじませました。「時が止まればいいのに」という思いのまま2人は強く抱き合い、そのまま一線を越えてしまいます。
一方そのころ、家に残された凪は、圭太に何度も電話をかけていました。しかし電話はつながりません。圭太が長時間家を空けるのも、連絡がつかなくなるのも初めてのこと。眠る娘を抱きしめながら、凪の胸には「一体何があったのよ?」という不安が広がっていきます。
「……ずっとおかしかった」
「圭太は絶対何かを隠している」
これまで積み重なってきた違和感が、凪の中で確信へと変わりつつあるのでした。
◇ ◇ ◇
嘘は、つき始めた本人がいちばん、その怖さに気づいているものなのかもしれませんね。それでも止まれなくなるのは、後ろめたさよりも目の前の心地よさを選んでしまう弱さがあるからなのでしょう。一方で、相手を信じたい気持ちと、拭えない違和感の両方を抱える苦しさも経験したことがある方もいるのではないでしょうか。小さな引っかかりを「気のせい」と流し続けると、いつしか胸の奥にたまっていくのでしょう。違和感を覚えたときこそ、ひとりで抱え込まずに言葉にして確かめることが、自分の心を守る第一歩になるのかもしれませんね。
おーちゃん