よくよく話を聞くと、トモルは依都に「緋沙未は300万円を請求している」とウソをついていたことが発覚。一方、緋沙未には「差額の請求はナシだ」と言っていたのですから、トモルは依都からお金をだまし取ろうとしていたのです。
さらには依都が開業を目指しているのは料理店ではなく、トモルの店を間借りしたネイルブースであることも明らかになりますが、トモルの悪巧みを見抜いた緋沙未は依都に対し、「300万円振り込んだら、すぐ離婚しますよ」——。
依都と合意した緋沙未は、早々に離婚届を提出。泥沼を覚悟していたトモルはあっけにとられますが、依都から300万円を支払ったことを聞かされると自分の悪巧みが失敗したことに気づき、卒倒してしまったのです。
離婚から1年が経過、詐欺まがいのウソをついた不倫夫は今…?









経営していた美容サロンは閉業となり、さらにトモルは借金を負ったとのこと——。
想像以上にボロボロになったトモルの現状を知った緋沙未は「すぐに離婚したのは正解だった」と前を向き、息子のルイとふたり、平穏な暮らしを手に入れたのでした。
不倫が発覚し、慰謝料請求という正当な権利を行使しただけにもかかわらず、「返してくれ」と言われ、さらには別居にかこつけるように、義母から息子のルイを奪われそうになった緋沙未。それでもトモルの悪巧みを鋭く見抜き、平穏な暮らしを手に入れました。
とはいえ、不倫という問題は深刻です。不倫に深く傷ついた心理状況では冷静さを失っても無理はなく、緋沙未のようにすみやかに行動に移すことができなくても当然です。
そんなときには客観的な視点が助けになります。特に慰謝料に関しては法律の知識が必要となるケースも少なくなく、不倫によって傷つけられた賠償をしっかりと受け取るためにも、弁護士などの専門家を頼ることもひとつの選択肢です。無料の法律相談を受け付けている自治体も多くあります。
また、「どんな人の、どんな悩みにもよりそう」ことを掲げる「よりそいホットライン」(0120-279-338)のような相談機関に自分の現状や苦しみを打ち明けるだけでも、気持ちがラクになることがあります。抱えた苦しみを打ち明けることで少しでも冷静になれたなら、進むべき道が少しずつでも見えてくるのではないでしょうか。
紙屋束実