元家族との絶縁
自分で学費を貯めて大学へ進学した僕は、あるシステム会社に就職。そこで努力を重ね、ついにはプロジェクトリーダーを任されるまでに成長しました。仕事仲間にもめぐまれ、充実していた日々を送っていたのです。
しかし、ある日突然父から「実家に帰ってこい」と電話がかかってきたのです。話を聞くと、どうやら弟の就職が決まったとのこと。その場ですぐに断れなかった僕は、気が進まないものの、数年ぶりに実家へ行く羽目になってしまいました。
迎えた当日。就職祝いに招待されたと思っていた僕は、実家についた直後、自分の勘違いに気が付きました。弟へ就職祝いのプレゼントを渡したときに、弟から「俺、フリーターの兄とは縁切るわ」と言われて……。
家族には近況を伝えていなかったため、僕をフリーターだと思っていたよう。誤解を解こうと思いましたが、この家族と今後もやっていけるのかと不安になり……。僕はその場で彼らと縁を切ることを決めました。
立ち去ろうとした僕に、弟は自らの内定通知書を見せつけて自慢してきました。父も義母も、とてもうれしそうでした。そんななか、僕は驚きのあまり一瞬固まってしまって……なんと、弟が就職を決めた会社は、僕が勤めるシステム会社の下請け企業だったのです。
僕がすかさず自分の名刺を差し出し事実を伝えると、父も義母も弟も一斉に顔を真っ青にして……。僕は、そのまま彼らを置いて、実家を後にしました。
トラブルの原因を探った結果
翌年の春、弟が入社してからしばらく経ったころ。僕は、再び驚きの出来事に見舞われました。
いつもお世話になっているクライアントから、「この件は一体どうなっていますか?」と確認の連絡をいただいたのです。状況を確認したところ、問題となっていた案件は、弟が就職した下請け会社へ委託していた業務で……。
そこで、僕はチームの後輩に状況を共有し、原因の究明に乗り出しました。調べた結果……下請け会社の担当チームが仕様変更を見落としていたことが判明。僕は急いで下請け会社へ連絡を取り、合同会議を急きょ開くことになりました。
謝罪よりも保身の弟
合同会議当日。今回のトラブル案件に関わる下請け会社の者たちが、僕の勤める会社にやってきました。そのなかには、なんと弟の姿もあって……。彼は、入社して早々この案件の担当チームへ配属されていたようです。
僕は早速、ミスが起きた原因を尋ねました。すると、弟は「連絡がきていませんでした」と言い出したのです。自らの保身のために嘘をつき始めました。
そんな弟の言葉を聞いて、同席していた僕の後輩が黙っていませんでした。事前に用意していた共有プロジェクト管理ツールのアクセスログの証拠を提示し、弟の隠ぺい工作をあっさりと暴いたのです。
失態が暴かれた弟の末路
嘘がバレた弟は、その場で号泣しながら謝罪。さらに、現場のスピードについていけず、業務を十分にこなせていなかったことも判明しました。
後日、下請け会社で働く人から聞いた話によると、弟はその後も会社になじめず、退職したそうです。「自分で新しく会社を立ち上げる」と言っていたそうですが、すでに縁を切っているため、彼が今どこで何をしているのかはわかりません。
一方の僕は、支えてくれた後輩やチームメンバーとの絆をより深めることができました。これからも周囲への感謝を忘れず、誠実に仕事へ向き合っていきたいと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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