つきまとい被害に遭っていた女性・ゆうきを助けたことをきっかけに、圭太は既婚であることを隠したまま彼女と関係を深め、やがて一線を越えていました。嘘を重ねる夫に、凪はこれまでにない違和感を募らせていきます。
凪は残業だと偽って帰宅した圭太を気丈に迎え、疑いを押し隠したまま夫にビールをすすめ続けました。圭太が深い眠りに落ちた隙に、凪は震える手でスマホを手に取り、「たちばな」というトーク画面を開いてしまいます。そこにあったのは、圭太と見知らぬ女性がベッドで寄り添う写真と、甘いやり取り。知りたくなかった現実を突きつけられ、凪はショックで固まってしまいました。
夫の裏切りをはっきりと知ってしまった凪。あふれる感情のなかで、凪がとった行動とは——。
夫の裏切りを見て頭が真っ白になった私が、とっさにとった行動
圭太のスマホの画面を目にした瞬間、凪の頭は真っ白になりました。そこに映っていたのは、圭太と見知らぬ女性が寄り添う写真。「会えないときはこの写真を見ることにするね♡」という甘いやり取りに、凪は「嘘でしょ……? 圭太が……?」と声を震わせるほかありませんでした。
ずっと感じていた違和感の正体がこれだったのかと、凪は暗い部屋で膝を抱えます。それでもこのままにはしておけないと、震える手で自分のスマホに証拠を残そうと、1枚ずつ画面を撮影していきました。
やり取りをたどるうちに、相手の女性に圭太が実家暮らしで、「彼女なんていない」と話していたことに気づきます。ある日付は、家族でマイホームの内見に行った日でした。自分を偽ってこの娘に近づいたのかと、凪の頬を涙が伝います。
「こんな形で私たち家族を裏切っていたなんて……」
信じていた時間の裏で続いていた関係に、許せないという思いがこみ上げます。
さらに凪の記憶がよみがえります。財布を交番に取りに行くと言っていたあの夜、圭太は自分を拒みました。
「圭太が拒んだのはこの娘がいたからだったんだ」
自分を拒んだその夜に、夫は相手のもとへ向かっていたのかもしれない。そう思い至ったとき、こみ上げてきたのは想像もしなかった苦しさでした。
「圭太を、許さない」
信じてきたぶんだけ深い痛みが、凪の胸に刻まれたのでした。
◇ ◇ ◇
信じていた相手の裏切りを知る瞬間ほど、人の心を深く揺さぶるものはないのかもしれません。長く連れ添った関係であればあるほど、積み重ねてきた時間そのものが疑わしく思えてきて、足元が崩れるような感覚に襲われるのではないでしょうか。
一度の裏切りが、相手からどれほど多くのものを奪い、どれほど深い傷を残すのか。目の前の欲や誘惑に流される前に、その重さを自覚しておくこと。信じてくれている人がいるという事実そのものが、何にも代えがたいものなのだと、私たちも、常に心に刻んでおきたいですね。
おーちゃん