私たちが離婚した原因は、元夫の無責任さでした。突然仕事を辞め、その後も働こうとせず、家事も育児もほとんど私任せ。生活を支えることに限界を感じ、離婚を決意したのです。
勝手に子どものお迎えに行く元夫
離婚直後の元夫は反省した様子で、私が出社する日だけ子どもを預かっても文句ひとつ言いませんでした。
ところが、時間が経つにつれて態度は一変。子どもを迎えに行くたびに「人に頼みごとをして手ぶら?」「菓子折りくらい持ってこいよ」「俺がいることを当たり前だと思うな」と嫌みを言われるように……。
もちろん感謝はしていましたが、恩着せがましい言動が増えた元夫は、離婚当時とはまるで別人のようでした。
さらに驚いたのは、私が頼んでもいない日に元夫が勝手に幼稚園へ迎えに行き、子どもたちを自宅へ連れて帰ってしまったことです。以前からお願いすることがあったため、お迎え登録には元夫の名前も残っていました。そのため、園側も不審に思わず引き渡してしまったのです。
慌てて迎えに行くと、元夫は悪びれる様子もなく、「気を利かせて迎えに行ってやったのに、その態度は何だ?」と逆ギレ。
頼んでいないこと、勝手な行動はやめてほしいと強く伝えましたが、「図に乗るなよ」と吐き捨てられ、話になりませんでした。
居酒屋で見た信じられない光景
あれだけ注意したにもかかわらず、数日後、また勝手に子どもを幼稚園に迎えに行ってしまった元夫。私が急いで元夫の家へ向かうと誰もおらず、連絡すると位置情報だけが送られてきました。
表示された場所は、なんと居酒屋。慌てて向かうと、子どもたちは席でジュースを飲みながら待たされ、元夫は若い女性店員と楽しそうに話し込んでいました。
「嫁が何もしないから子どもたちは俺にベッタリなんだよ」
そんな嘘までついて「いい父親」を演じていたのです。
子どもたちはおとなしく待っていましたが、目を離したまま自分は店員と雑談。その姿を見て、「もうこの人には二度と子どもを預けられない」と心から思いました。
このままでは安心して働き続けることもできません。
今の職場は条件も良く、本当は辞めたくありませんでした。それでも子どもたちの安全には代えられず、私は転職して実家へ戻ることを決意。
両親に相談すると快く受け入れてくれ、私はすぐに転園や引っ越しの準備を始めました。あわせて幼稚園にも連絡し、元夫をお迎えリストから外してもらい、もし来ても引き渡さず、すぐに私へ連絡するよう依頼しました。
「養育費を払え」と言い出した元夫
そして実家へ戻る直前のこと。幼稚園から「お父様がお迎えに見えていますが、どうしましょうか」と連絡が入ったのです。
嫌な予感がした私は、園に向かいながら、離婚のときにお世話になった友人でもある弁護士へすぐに連絡。「またトラブルになりそうだから助けてほしい。今から子どもを連れて自宅に戻るから来てほしい」と伝えておきました。
急いで園へ駆けつけると、引き渡しを拒否されてイライラした元夫が待ち構えていました。園に迷惑はかけられないため、ひとまず子どもを連れて元夫と共に自宅へ向かい、弁護士の友人が来るまでの時間稼ぎとして、玄関先で対応することに。
家に到着するなり、元夫は予想もしなかった言葉を口にしたのです。
「養育費、振り込まれてないんだけど?」
「俺のほうが子どもたちの面倒を見てるんだから、お前が養育費を払え」
耳を疑いました。親権も監護権も私にあり、養育費を支払う義務があるのは元夫です。離婚時には公正証書ではありませんでしたが、養育費について双方が署名した合意書も作成していました。
私は毎日、食事を作り、洗濯をし、子どもたちを育てながら仕事も続けています。元夫は、自分の都合がいいときだけ勝手に関わっているだけ。
それにもかかわらず、自分が養育費を受け取るべきだと言い張る元夫。その姿に、私は言葉を失いました。
さらに元夫は「200万円払うまで子どもは渡さない!」と逆上し、子どもたちの手を強引に引いて自分の側に抱え込むと、そのまま連れ去ろうと玄関の前に立ちふさがったのです。
形勢逆転の一言
そのときインターホンが鳴り、連絡を入れていた弁護士の友人が駆けつけてくれました。友人は元夫に養育費の合意書を突きつけ、3カ月分の養育費を滞納している事実を指摘。
しかし「俺だって子どもの面倒を見てる!」と言い張る元夫。一方、弁護士の友人は冷静に、「親権者の同意なく無理やり子どもを拘束し連れ去ろうとする行為は、状況によっては法的な問題になる可能性があります。今すぐ子どもたちを放して立ち去らないのであれば、警察へ通報します」と伝えてくれました。
“警察”の一言を聞いた瞬間、元夫の表情は一変。
「わ、わかったよ!」と慌てて子どもたちを放して観念し、捨て台詞を残して逃げていきました。
その後、私はこの出来事を元夫の両親へ報告。元夫は厳しく叱責され、滞納していた養育費は元夫の両親が立て替えて支払ってくれることになりました。
これは後日知ったことなのですが、離婚後、元夫はギャンブルで多額の借金を抱えていたそう。私に要求した200万円は、その借金額だったのです。子どもたちを利用して借金を返済しようとしていたと知り、怒りよりも情けなさが込み上げました。
結局、元夫は実家へ戻り、ご両親の管理のもと、働き始めたそうです。
今、私は子どもたちと一緒に実家で暮らしています。両親の支えもあり、以前より子どもたちと過ごせる時間が増えました。
離婚後はひとりで何とかしようと無理をしていましたが、「頼れる人に頼ることも、子どものためには大切なことなんだ」と実感しています。
これからも子どもたちが安心して笑顔で暮らせる環境を守りながら、前を向いて歩んでいきたいと思っています。
◇ ◇ ◇
離婚後も、子どもを最優先に行動することは親として当然の責任です。自分の都合や金銭目的で子どもを利用する行為は決して許されるものではありません。
離婚後、「子どもを勝手に連れて行かれた」「養育費が払われない」といったトラブルが起きた場合は、ひとりで抱え込まず早めに弁護士などの専門家に相談しましょう。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。