この人も父親なのだから、今回自分たち夫婦がどれほど怖い思いをしたのか多少はわかるはず。しかし、「大げさだ」「無駄に騒ぎ立てるから寿命が縮まった」「勘弁してくれ」と父親に言われ、聖也さんは絶句しました。
「寿命が縮まったのも勘弁してほしいのも、こっちのセリフだよ!!!」
打ちどころが悪ければ、取り返しのつかないことになっていたかもしれないのに……。しかし、聖也さんも子どものころは何度も頭を打ったけれど何ともなかったと、父親は笑っています。「大げさだ」「今の親は過保護だ」と保身を繰り返す父親に、聖也さんはとうとうつかみかかりました。そして、無事だったのはただの幸運、たまたまのことだったと訴え、昔の話を持ち出しました。
「俺がおぼれたこと、アンタは覚えているか?」
「……覚えとるよ」
父親は答えに詰まったあと、弱々しい口調で答えました。
「やっぱり覚えていないんだな」
父親の反応に、聖也さんは落胆したのでした。
昔から、危機感のない父親



※「捕まって」→「掴まって」





父親の反応から、自分が子どものころの事故の記憶が抜け落ちていると気づいた聖也さん。自分の息子が命を落としかけたというのに、覚えていないだなんて……と落胆しました。
母親によると、海に浮かんでくつろぐ父親の浮き輪に掴まっていたはずの聖也さんが、気づいたらいなくなっていたとのこと。しかし、父親は全く気がついておらず、近くの人がたまたま気づいて助けてくれたのです。
「あのとき誰も気づかなかったらと思うと……」
「今でも怖くて震えてくる……」
当時を思い出した母親は、目に涙を浮かべていました。そして、今回のこころちゃんの事故についても、謝罪してくれたのですが……。
「謝ったら、俺だけ悪者みたいだろ!」
それを見た父親は、激怒するのでした。
◇ ◇ ◇
子どもが命を落としかけた経験を忘れてしまうことは、子どもの安全に対する意識の低さの表れかもしれませんね。記憶に残っていないということは、その出来事を十分に深刻に受け止めていなかった可能性もあります。
子どもの安全に関わる事故は、たとえ結果的に大事に至らなかったとしても、「無事だったからよかった」で終わらせてはいけません。なぜ事故が起きたのかを振り返り、同じことを繰り返さないために環境や見守り方を見直すことが大切です。小さな油断が大きな事故につながることもあるからこそ、家族みんなで安全への意識を共有していきたいですね。
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ミント