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「嫌なら辞めれば」65歳の新人パートを無視する先輩。社長と新人の関係を知って青ざめたワケ

65歳になった私は、地元で複数の店舗を展開するスーパーでパートを始めました。娘が一軒家を用意してくれ、待望の初孫も誕生。すぐに生活費が必要だったわけではありませんが、将来、孫のために使えるお金を自分でも蓄えておきたいと思ったのです。ところが、初出勤の日の何げない会話をきっかけに、先輩パートから目の敵にされるようになりました。

 

初出勤で向けられた思わぬ反感

初出勤の日、休憩室で若いアルバイトの男性から声をかけられました。話しているうちに、お互いの自宅が近いことがわかり、地元の話題で盛り上がりました。

 

ついうれしくなり、私は自宅のことを話しました。

 

「私、最近この近くに引っ越してきたの。娘が家を建ててくれたのよ」

 

すると、近くにいた先輩パートのA子さんが、険しい表情でこちらを見ました。

 

「家を建ててもらえるくらい余裕があるなら、どうしてパートなんて始めたの?」

 

突然の問いかけに戸惑いながらも、私は孫のために自分でも貯金をしたいことや、まだ元気なうちは働きたいと思っていることを説明しました。しかし、A子さんは納得できない様子でした。

 

「生活に困っていない人の道楽でシフトを取られたら、困る人もいるのよ。お金が必要なら、娘さんからもらえばいいじゃない」

 

そう言い残すと、A子さんは休憩室から出ていってしまいました。私はただ働きたいと思って応募しただけでした。なぜあれほど責められたのかわからず、初日からすっかり気持ちが沈んでしまいました。

 

引き継ぎを拒み、ミスの責任まで押し付ける先輩

私とA子さんは同じ売り場を担当しており、閉店前の作業を一緒にする日もありました。新人だった私は、作業の手順や変更事項をA子さんから教えてもらう必要がありました。

 

ところが、わからないことをA子さんに尋ねても返事をしてもらえず、必要な引き継ぎもほとんどありませんでした。ほかのスタッフがいるときだけ最低限の受け答えをしていたため、周囲には問題なく働いているように見えていました。

 

ある日、前日までの特売価格を示すPOPが売り場に残っており、お客さまから価格について問い合わせを受けました。前夜、A子さんから「私が外しておくから、あなたは別の作業をして」と言われていたため、私はその指示に従っていました。

 

片付けを忘れたこと自体は、誰にでも起こり得るミスです。しかし、店長から事情を尋ねられたA子さんは、「新人さんに頼んだのに、忘れたようです」と説明しました。

 

その日の勤務後、私がそのことを確認すると、A子さんは悪びれる様子もなく言いました。

 

「あなたは生活に困っているわけじゃないんだから、嫌なら辞めればいいでしょう。私はこの仕事がなくなったら困るの」

 

働く理由が違うからといって、必要な情報を教えてもらえず、責任まで押し付けられることには納得できません。その後も同じような対応が続いたため、私は質問しても返答がなかった日時や内容、必要な引き継ぎがなかった事項を記録し、店長へ相談しました。

 

 

巡回に来た社長の前で態度が一変

数日後、私がA子さんと開店前の作業をしていたときのことです。店舗の巡回に来たスーツ姿の女性が、店長と一緒に売り場へやって来ました。その女性を見た途端、A子さんは「お疲れさまです!」と愛想よく頭を下げました。

 

A子さんの横で、私は思わずその女性を見つめました。店舗の巡回に来た女性は、このスーパーチェーンの社長を務める私の娘だったのです。まさかこのタイミングで、この店舗を訪れるとは思っていませんでした。

 

娘は私の姿を見つけると、驚いたように足を止めました。そして、つい普段と同じ調子で「お母さん、仕事にはもう慣れた?」と声をかけたのです。

 

「お、お母さん……?」

 

A子さんは、私と娘を交互に見ながら目を見開き、次第に表情が青ざめていきました。

 

私は娘に口利きを頼まず、ほかの応募者と同じように面接を受け、通常の手続きを経て採用されました。店長には娘との関係を伝えていましたが、社長の母親として特別扱いされたくなかったため、ほかの従業員には伏せてもらっていました。ただ、関係を伏せていることは娘には伝えていませんでした。

 

するとA子さんは急に親しげな口調になり、私に向かって「私たち、仲良く働いていますよね?」と言いました。私はすぐには答えられませんでした。これまで、質問をしても無視され、必要な引き継ぎもしてもらえなかったからです。

 

すると店長が、A子さんに向かって静かに言いました。

 

「新人への引き継ぎが十分におこなわれていないことについては、すでに相談を受けています。相談を受けてから、勤務中の様子も確認していました」

 

A子さんは「そんなつもりはなかった」と弁明しましたが、これまでの強気な態度はすっかり消えていました。

 

娘は、その場で処分を決めることはせず、店長にこう伝えました。

 

「母との関係は切り離してください。この件の判断には私は関わらず、事実関係を確認した上で、社内のルールに沿って対応してください」

 

後日、A子さん本人への聞き取りや勤務状況の確認がおこなわれました。その結果、新人への引き継ぎや接し方に問題があったとして、A子さんは店長から注意を受けることになりました。

 

働く理由は人それぞれ

今回の出来事を通して、働く理由は、その人の年齢や家庭の経済状況だけでは決めつけられないのだと感じました。また、新人が安心して仕事を覚えるためには、必要な情報を共有し、質問に向き合ってもらえる環境が欠かせないことも実感しました。

 

これからも娘の名前に頼ることなく、1人のパート従業員として、周囲と支え合いながら目の前の仕事に誠実に向き合っていきたいと思います。

 

--------------

生活に困っていないように見えるからといって、働く理由まで他人が決めつけることはできません。A子さんが問題視されたのも、一度のミスではなく、新人を無視して必要な引き継ぎを怠っていた姿勢でした。主人公が感情的に対抗せず、起きたことを記録して店長へ相談したからこそ、職場の問題として公平に確認してもらえたのでしょう。

 

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

 

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ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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