毎週末のように便乗する義妹親子
以前、夫は義妹から「今週末はどこに行くの?」と聞かれると、何げなく外食先を教えていました。
すると、いつの間にか義妹親子が私たちの外食先に現れるように。
「私たちも一緒にお願いしま〜す!」
義妹は悪びれる様子もなく席につき、甥っ子まで食べる前から「ごちそうさま!」と言う始末。最初のうちは仕方なく一緒に食事をしていましたが、次第にそれが当たり前になり、会計まで私たちに任せるようになっていきました。
さすがにおかしいと思った私たちは、それ以降、義妹に週末の予定を教えないことにしました。
義弟に相談すると…
それでも、これまでの義妹の振る舞いをこのままにしておくわけにはいきません。私たちは義妹の夫である義弟に事情を話すことにしました。
義弟は何も知らなかったようで、後日、菓子折りを持って謝罪に来ました。さらに、これまで義妹親子のために私たちが負担した食事代も返してくれたのです。
義弟から厳しく注意された義妹は、反省するどころか「告げ口するなんて!」と逆上。顔を合わせるたび、私たちに嫌味を言うようになりました。
義弟からは「あれだけ兄夫婦に迷惑をかけたんだから、二度とおごってもらうな。次に同じことをしたら離婚も考える」とまで言われたそうですが、自分の行動を反省する様子はまったくありませんでした。
結婚記念日に義妹から連絡が
それから数週間後、私たち夫婦の結婚記念日が近づいたころのことです。
突然、義妹から「今年の結婚記念日はどこで食事するの?」と聞かれました。
夫は答えようとしませんでしたが、私はあることを思いつきました。
その日は、少し前にオープンした私の実弟のフランス料理店で食事をする予定だったのです。弟が結婚記念日のお祝いとして、私たち夫婦を招待してくれていました。
そこで私は、あえて義妹に店の名前を教えることに。
すると案の定、
「えっ、弟さんのお店なの!? じゃあタダで食べられるんじゃない?」
と大喜び。
もちろん私たちは、「私たちが招待されているだけだからね」と伝えました。しかし、これまでの義妹の行動を考えると、これだけでは諦めない気がします。
そこで夫と相談し、弟、そして義弟にも事情を話しておくことにしました。
嫌な予感は的中!
そして迎えた結婚記念日。
私たちは弟のレストランを訪れ、個室で食事を楽しんでいました。
ところがしばらくすると、店内から聞き覚えのある声が。
嫌な予感は的中しました。
義妹親子が勝手に店へやって来て、別のテーブルで食事をしていたのです。
しかも、高級な料理やワインを次々と注文。そして店員さんには堂々と、
「お会計は兄夫婦が払うことになっています!」
と言っているではありませんか。
やはり来たか……。
けれども今回は、私たちも黙って支払うつもりはありません。
義妹が現れる可能性を考え、事前に弟たちと話をしていたのです。
コースの最後に運ばれてきたのは…
やがて義妹親子の食事も終盤に。
「弟さんのお店なんだから、私たちの分もサービスよね♪」
すっかりタダで食べられるつもりの義妹は上機嫌です。
すると、弟が義妹のテーブルへ銀色のトレーを運んできました。
「最後に、こちらをどうぞ」
しかし、その上に載っていたのは料理ではありません。
一通の封筒でした。
「何これ?」
不思議そうに封筒を開けた義妹の表情が、一瞬で凍りつきました。
中に入っていたのは、離婚届。
そして次の瞬間――。
「やっぱり来てたんだな」
店の奥から姿を現したのは、義弟でした。
実は、義妹がまたやって来た場合に備え、私たちはあらかじめ義弟にも連絡していたのです。
「兄さんたちに二度と迷惑をかけるなって言ったよな。次に同じことをしたら離婚も考えるとも言った。それでもまたやったんだな」
義妹は真っ青。
「違うの! 弟さんのお店だからいいと思っただけ! もう絶対しないから!」
泣きながら義弟にすがりました。
しかし義弟は、
「前にも同じことを言っただろ。もう無理だよ」
とピシャリ。
そして私たちと弟のほうへ向き直り、
「何度も迷惑をかけて、本当に申し訳ありませんでした」
と深々と頭を下げたのです。
もちろん、義妹親子が注文した料理は私たちへの結婚記念日のプレゼントには含まれていません。
弟から自分たちの食事代を請求された義妹は、「そんなお金ない!」と慌てましたが、弟は「こちらもお店なので、食べた分はきちんとお支払いいただきます」ときっぱり。
義弟は店に迷惑をかけるわけにはいかないと、その場では代金を立て替えましたが、「これで最後だからな」と義妹に告げました。
義妹夫婦のその後
その後、義妹は必死に謝ったそうですが、義弟の気持ちは変わらなかったとのこと。話し合いの末、2人は離婚することになりました。
義弟にとって、問題だったのは一度の食事代だけではありません。
何度注意されても人のお金をあてにし、迷惑をかけても反省せず、同じことを繰り返したことに愛想を尽かしてしまったようです。
その後、義妹がどう暮らしているのか、私たちは詳しく知りません。
一方、私たち夫婦は、ようやく週末に2人きりでゆっくり外食を楽しめるようになりました。
せっかくの結婚記念日は思わぬ騒動になってしまったので、後日改めて弟のレストランを予約。今度こそ夫婦水入らずで、弟の料理をゆっくり堪能しました。
◇ ◇ ◇
家族や親族だからといって、相手の厚意やお金を当然のようにあてにしていいわけではありません。また、身近な人から迷惑な行為を繰り返されても、「家族だから」と我慢し続けてしまうこともあるでしょう。何度伝えても状況が変わらないときには、曖昧に受け入れるのではなく、毅然とした態度で線引きをすることも大切なのかもしれませんね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。