無痛分娩の扱いは産院によって違う
私は極端に痛みに弱く、そのせいで妊娠にも抵抗を感じていました。そのため、無痛分娩を強く希望。ところが、私が通院していた産婦人科では計画的な無痛分娩ではなく、陣痛の様子に応じて対処するという方針だったのです。また、麻酔を扱う先生が不在のときは無痛分娩ができないとのことでした。
先生や助産師さんからは「自然分娩をすすめる」といったニュアンスの言葉をよくかけられました。私の場合、「無痛分娩の扱いは産院によって違う」ということを通院してから初めて知ったのでした。
入院から無痛分娩で出産するまで
自宅で破水して入院。そこから陣痛が始まって様子を見た結果、子宮口が5cmになった時点で、無痛分娩に向けて硬膜外麻酔の準備が始まりました。陣痛のたびに体が硬直して、会話もできないくらい痛みを感じていましたが、麻酔後はかなりゆるやかな痛みに変わり、強張っていた体から力が抜けていくのを感じました。
そのためか、約1時間後には子宮口が全開大になり出産へ。ただ、麻酔の影響でうまくいきむことができず、会陰切開後、吸引分娩になりました。
無痛分娩を経験して感じたこと
出産時の出血は多く、産後の傷の痛みやひきつれは1カ月以上続きました。それでも私は無痛分娩を選択してよかったと感じています。
予想以上の陣痛の痛みに、子宮口5cmの段階で強い恐怖心に襲われていた私は、もし麻酔をしなかったら錯乱していたかもしれない、陣痛がトラウマになっていたかもしれないと今でも感じるからです。
2人目は自然分娩で出産をしましたが、無痛分娩の経験があったからこそ踏み切れた、妊娠・出産だと感じています。無痛分娩を希望して最初にぶつかる壁は「普通は自然分娩で産むもの」という雰囲気。しかし、痛みに対する恐怖は立派な理由だと私は思います。出産の主役は自分。あくまで個人的な意見ですが、実現可能な要望は貫いていいのではないかと思っています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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イラスト/マメ美
監修/助産師REIKO
著者:山口美香
自閉症の長男、次男の二児の母。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。