レストランで豹変した彼
ある週末、少し奮発して予約したレストランへ、彼とディナーに出かけました。
店内は満席で、スタッフの皆さんも忙しそうに動き回っています。注文を済ませて待っていましたが、料理が届くまで少し時間がかかっていました。
私は「今日は混んでいるし仕方ないか」と思っていました。しかし彼は、料理を待つうちにだんだん表情が険しくなり、不機嫌そうな様子を隠そうとせず……。
しばらく待ってようやく料理が運ばれてきたときです。彼は店員さんへ向かって、低い声で言い放ちました。
「遅すぎる!」
さらに、店内中に響くような大きな声で「給料をもらっている自覚はあるのか?」「責任者を呼んでこい!」と怒鳴り始めたのです。
店員さんは何度も頭を下げて謝っていましたが、彼の怒りは収まりません。普段は穏やかでやさしい彼からは想像もできない姿でした。
店員さんを見下すような態度を目の当たりにした私は、恐怖を覚えると同時に、「もし結婚したら、いつか私にも同じような態度を向けるのではないか」という不安が頭をよぎりました。
私が婚約を解消した理由
帰宅してからも、彼が怒鳴る姿が頭から離れませんでした。
翌日、私は彼に自分の気持ちを正直に伝えました。
「あの態度を見て、この先一緒に結婚生活を送る自信がなくなった」
彼は何度も謝り、「もう二度としない」と言ってくれました。それでも、一度知ってしまった彼の一面を、なかったことにはできませんでした。
そして私たちは婚約を解消し、それぞれ別の道を歩むことを選びました。
婚約を解消する決断は簡単ではありませんでした。それでも、結婚前に彼の価値観や人への接し方を知ることができたのは、不幸中の幸いだったのかもしれません。
あの日以来、私は「人の本質は、自分より立場が弱い相手への接し方に表れる」のだと考えるようになりました。結婚は長い人生を共に歩むものだからこそ、何気ない場面こそ見逃してはいけないと実感した出来事です。
著者:鵜飼晴/30代女性・会社員。キャンプに行って料理を作ることにハマっています。
イラスト:ほや助
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)
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