そんなある日、めずらしく義母から「◯◯(義妹)が結婚するから、お祝いの食事会をするのよ。あなたたちも来なさい」と、都内の高級レストランでの食事会に誘われました。
義妹とは年齢も近く、普段からたまに連絡を取り合う仲です。ただ、義妹には長く付き合っている恋人がいたはずなのですが、その日、結婚相手として紹介されるのは別の方だと聞きました。
義母が、義妹の恋人の職業を気に入らずに猛反対し、本人の意思に反して、自分が選んだ大手企業に勤める会社員とお見合いをさせ、勝手に話を進めていたのです。
私だけ席がない
当日、夫と一緒に会場のレストランへ着くと、エントランスで義母がニヤニヤしながら待ち構えていました。
案内されたテーブルを見ると、どう見ても私の分の席がありません。
「あら、ごめんなさい」
「家族の分だけ予約したのよ」
「高級レストランで恥をかいた嫁ってどんな気分?」
義母は悪びれる様子もなく、私に向かって言い放ちました。しかし、私は冷静に返しました。
「大丈夫です」
「私も予約してあるので」
実は、義母のこれまでの言動から、夫が「母さんのことだから、当日何か嫌がらせをしてくるかもしれない」と警戒していました。そのため、万が一に備えて、夫が同じレストランの別テーブルをこっそり予約してくれていたのです。
夫は「母さん、せっかくの祝いの席で何をしているんだ? 俺たちは別の席で食べるから」と義母に告げ、私を連れて自分たちが予約した席へと移動しました。義母は予想外だったのか、顔を赤くして言葉に詰まっていました。
義母の誤算と義妹の決断
食事会の後、夫と私は義妹を別のお店に呼び出しました。義母の言いなりになっている義妹の様子が、ずっと気にかかっていたからです。
案の定、話を聞くと、義妹は、義母が自分の意見を曲げず、自分の思い通りにならないと感情的に怒ることを知っていたため、好きな人と結ばれることを諦め、言いなりになるしか道はないと思い込んでいました。
私たちは義妹に、「自分の人生なんだから、本当にこれでいいのかよく考えたほうがいい」と伝えました。そして、もし家を出るなら私たちも全力でサポートすると約束したのです。
後日、私たちの言葉に背中を押された義妹は、お見合い相手の男性に正直に事情を話し、謝罪をして結婚の話を断りました。そして、そのまま荷物をまとめて義実家を出て、本来結婚したかった恋人のもとへ向かったそうです。
思い通りに事が進むと信じていた義母は、激怒して私たちに電話をかけてきましたが、夫が「妹の人生は妹が決めることだ」と一蹴しました。
親離れと、できない子離れ
今回の件で、夫も義母との関係を完全に見直すことになりました。これまで夫は、毎月実家に少なからぬ額の仕送りをしていました。しかし、私へのあからさまな嫌がらせや、義妹の人生を自分勝手にコントロールしようとする姿を目の当たりにし、ついに堪忍袋の緒が切れたようです。
「もう母さんの言いなりにはならないし、仕送りもやめる」
夫はそう宣言し、義母の連絡先をブロックしました。その後、マンションの契約更新の時期に合わせ、私たちは少し離れた街へ引っ越しました。
子どもたちから相次いで距離を置かれた義母は今、義実家にひとりで住んでいるようです。夫からの仕送りがなくなったことで、義母の無計画な浪費癖のせいで家計が苦しく、義父は何も告げず家を出て行ってしまったと親戚づてに聞きました。
夫も義妹も、それぞれが自分の意思で選んだ道を歩み始めています。私たちはようやく、義母の顔色をうかがうことなく、穏やかで幸せな日常を手に入れることができました。義妹も恋人と幸せそうに暮らしています。
◇ ◇ ◇
家族であっても、お互いをひとりの人間として尊重し合う姿勢は不可欠です。それにもかかわらず、自分の価値観を押しつけ、意図的に相手を傷つけるような振る舞いは決して許されるものではありません。もし親族から理不尽な嫌がらせや干渉を受けたら、我慢せずにパートナーと連携し、自分たちの幸せを守るための選択をしたいですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※一部にAI生成画像を使用しています。