長電話に疲れる日々
友人は夕方になると、よく私に電話をかけてきました。話の内容は、家族への不満や職場の人間関係についての愚痴がほとんどでした。
最初のうちは、「話を聞くだけで気持ちがラクになるなら」と思い、できるだけ親身になってあいづちを打っていました。しかし、電話は毎回1時間以上続くこともあり、同じ話を何度も聞かされる日もありました。
電話を切った後には、どっと疲れが押し寄せました。夕食の片付けや家事が残っていても何もする気になれず、楽しみにしていた読書もできないまま寝てしまうことが増えていったのです。
時間を区切ることに
それでも私は、なかなか電話を断れませんでした。「今は忙しい」と言ったら、友人を傷つけてしまうのではないか。「冷たい人だ」と思われるのではないかと、不安だったのです。
そんなある日、電話が鳴った瞬間に、また長い時間を取られるのかと思うと気が重くなりました。そこで思い切って、「今日は15分だけなら話を聞けるよ」と伝えてみました。
友人は少し不満そうに、「前はもっと聞いてくれたのに」と言いました。その言葉に罪悪感を覚えましたが、私は「最近、自分のことをする時間も必要だと感じているの」と正直に伝えました。
自分の夜が戻ってきた
それからは、電話に出る前に時間を伝えたり、疲れている日は翌日にしてもらったりするようになりました。やがて友人からの電話は少しずつ減っていきました。
寂しさを感じることもありましたが、その一方で、夕食後にゆっくり本を読んだり、近所を散歩したりする時間が戻ってきました。何もせず静かに過ごせるだけでも、心が落ち着くことに気付いたのです。
最初は「友人を見放したのではないか」と悩みました。しかし、すべての愚痴を受け止め続けることだけがやさしさではありません。無理のない範囲で話を聞くほうが、相手との関係も長く続けられるのだと思えるようになりました。
まとめ
人にやさしくすることは、自分を削り続けることではないのだと感じました。誰かの話を聞くときにも、時間や心の余裕に合わせて無理のない範囲を決めることが大切です。自分の生活を守るために距離を取ることは、決して冷たい行動ではありません。勇気を出して線を引いたことで、私はようやく自分の時間を取り戻すことができました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:米倉眞子/60代女性・主婦
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
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