貧乏を理由に…
僕は父親の仕事の失敗によって、幼いころは生活に苦労した部分もありました。大学時代はアルバイトで学費を稼ぎながら、必死に大学へ通っていました。
そんな中、親が会社を経営していた裕福な同級生・Aからは「お前は大変だな。どうせ大した仕事には就けない」と見下されていました。当時はAの言葉を真に受け、自信を失いかけていた僕。それでも、いつか見返したいという思いを胸に、勉強とアルバイトを両立しながら必死に努力を続けました。
そんな僕を支えてくれたのが、当時のアルバイト先で知り合った彼女。彼女も同じ大学の年下の学生だったため、お互いに励まし合いながら仕事と学業に取り組んでいたのです。
大学卒業後、僕は大手企業に就職。仕事でも努力を重ね、現在では世界各国に支社を持つ会社の社員として、ビジネスの第一線で実績を上げられるようになりました。そして、あのとき支えてくれた彼女も、大学卒業後に同じ会社へ入社。今では僕の後輩として、一緒に仕事をしています。
高級ラウンジで
ある日、海外出張のために優秀な後輩と空港のVIPラウンジを訪れました。頻繁な海外出張で上級ステータスを持つ僕は、正当な利用資格があります。
入り口に近づくと、「おい」と聞き覚えのある声が。振り返るとそこには大学時代の同級生であるAの姿がありました。どうやらAは親の知人の紹介で、ラウンジでスタッフとしてアルバイトをしているようでした。
「おい、ここはお前みたいな貧乏人が来る場所じゃないぞ。外で缶コーヒーでも飲んでろよ」
まさか社会人になってまで、Aからこんな言葉を聞くとは思いませんでした。僕が何も言わずにいると、Aはさらに隣にいた後輩へ目を向けます。
「君、こんなやつと一緒にいるの? 俺ならもっといいところに連れていってあげるけど」
勤務中にもかかわらず、Aは後輩に声をかけ始めました。
僕の連れだと説明しても信じようとせず、まるで僕を見下すことが当然だと言わんばかりの態度でした。
後輩のひと言で形成逆転!
あまりの無礼にあきれていると、後輩が冷ややかに言いました。
「この方はラウンジの利用資格を持っています」。
Aが「そんなわけない」と鼻で笑った直後、騒ぎを聞きつけたマネージャーが「どうかされましたか?」と駆けつけました。僕の姿を見るなり「いつもご利用ありがとうございます!」と深々と頭を下げたのです。
その光景を見たAは、みるみる青ざめました。ラウンジの正当な利用資格を持つ顧客だと知ったからです。さらに、Aは常習的に個人的に気に入らない利用客への暴言だけでなく、女性客へ不適切な声かけをしていたことも発覚。
マネージャーは「まずはバックヤードで話を聞きます」と言って、Aを連れていきました。
最高のビジネスパートナー
哀れなAを尻目に、僕たちは出張のフライトへ向かいました。思えば、大学時代に将来を悲観していた僕を「きっと大丈夫ですよ」と励ましてくれたのが彼女でした。今でも彼女は仕事が優秀で、僕の死角をフォローしてくれる頼りになる存在です。
「今日も助かったよ」と伝えると、「先輩のサポートは私の仕事ですから」と彼女は笑顔で答えてくれました。過去の悔しさをバネに努力したからこそ今の自分があり、苦しい時期を支えてくれた最高の仲間と肩を並べられています。これからもお互いを尊重し合い、新しいプロジェクトへ向かって歩んでいきます。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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