監修/中村光伸先生(光伸メディカルクリニック院長)
整形外科医の知見から骨の仕組み、体の動かし方を活かした骨のトレーニングを提唱する骨の専門医。骨の強化と全身の機能回復を両立する「骨たたき」を考案。若々しい体を取り戻す「リバースエイジング」の専門家としてメディアにも多数出演。著書に『医者が考案した骨粗しょう症を防ぐ1分間骨たたき』『ひざたたき 世界一かんたんな健康法』(アスコム)。
肩凝りとは何か?
筋肉がこわばることで感じる不快な症状の状態

肩凝りとは、筋肉がこわばることで、肩から背中にかけて張りや痛みなどの不快感を覚える状態のこと。そもそも人の体は、約5kgある頭を首で支え、さらに腕の重さも肩周りにかかるため、普通に生活しているだけでも首や肩周りの筋肉には負担がかかっています。さらに、同じ姿勢でのデスクワーク、長時間のスマホ、ストレスによる緊張、運動不足、冷えなど、さまざまな要因で肩凝りが起こります。
「肩凝りは更年期に見られる不調の一つでもあります。女性ホルモンの分泌低下や生活環境、ストレス、体質などが関係し、症状の感じ方に影響することがあります。加齢によって首や肩、腰部や関節を支える筋力が低下することも一つの要因です」(中村先生)
頭痛や吐き気を伴うことも

肩凝りの症状は、首すじ、首の付け根から肩または背中にかけて張った、凝った、痛いなどの感じがし、頭痛や吐き気を伴うことも。
「肩凝りに関係する筋肉はさまざまですが、首の後ろから肩、背中にかけて張っている僧帽筋という幅広い筋肉がその中心となります。
肩凝りだけであれば、肩関節の動きが大きく制限されることは通常ありません。もし肩が上がらない、服を着替える動作がしづらいなどの場合は、単なる肩凝りではなく、四十肩、五十肩などの可能性があります」(中村先生)
何科を受診する?
一番つらい症状が肩凝りなら【整形外科】を受診

肩凝りがつらい場合は、まず整形外科で相談するとよいでしょう。問診や診察で筋肉の緊張、圧痛、肩関節の動き、頚椎疾患の有無などを確認し、必要に応じてエックス線検査やMRI、血液検査などをおこないます。「治療が必要な病気が隠れていないか」の診断が受けられます。
「肩の痛みが強ければ、ぜひ受診を。ただの肩凝りだと思っていても、頚椎症や肩関節の病気、内科的な病気など、ほかの病気が関係している可能性もあります。
吐き気、手足のしびれ、頭痛やめまいなどを伴う場合や、息切れがしやすくなった、胸が締め付けられるなど、肩凝り以外の症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。特に胸の圧迫感や息苦しさがある場合は、急いで受診することが大切です」(中村先生)
肩凝りに頭痛や吐き気を伴うことはありますが、頭痛やめまい、しびれなどが強い場合や、突然現れた場合、悪化している場合は、脳や神経、循環器など別の原因が関係している可能性もあるそう。頭痛など肩凝り以外の症状がある場合は、どの診療科を受診すればよいのでしょうか?
「一番つらい症状に合う診療科を受診しましょう。例えば、肩凝りが一番つらいなら整形外科を、肩凝りもあるが頭痛が一番つらいなら脳神経外科を、肩凝りもあるが更年期のほかの症状のほうが強ければ婦人科や内科を受診するのがよいでしょう」(中村先生)
また、肩凝りや頭痛の症状がある人で、眼鏡が合わない、歯のかみ合わせが悪いなど、自分で「これが原因かも」と思い当たる節がある場合は、まずは眼科や歯科などを受診するのも一つです。
肩凝りを防ぐには?
普段の姿勢を改善し、良い睡眠を取ることが大切

肩凝り予防のためには、普段の生活の中でできる対策を続けることが大切です。
<肩凝りの予防法・対処法>
・姿勢(巻き肩、猫背など)を改善する
・同じ姿勢を長く続けない
・良質な睡眠を取る
・肩を温めて筋肉の血流を促し、疲労をやわらげる
・適度な運動やストレッチ、体操をする
・入浴し、体を温める
・冷えを防ぐ(冷房対策、栄養バランスの取れた食生活)
・眼精疲労にも気を付け、目を休める
「パソコンやスマホの影響で肩が前に出ている人がとても多いです。肩甲骨を寄せて胸を開き、耳の真下に肩が来る姿勢を意識するとよいでしょう。
また肩凝りの予防・改善のためには、良い睡眠を取ることがとても重要です。人は寝ている間に、日中の活動で負担がかかった筋肉や筋膜などを回復させていると考えられます。睡眠時間が短かったり、睡眠の質が低かったりすると、疲労や筋肉の緊張が残りやすくなることがあります」(中村先生)
肩凝り緩和のためにマッサージに通う方もいますが、有効なのでしょうか。
「マッサージを行うと血流が促され、肩凝りの症状がやわらぐことがあります。ただ、強く押し過ぎると筋線維を傷めてしまうことも。もみ返しがあるほど強いマッサージはおすすめできません」(中村先生)
まとめ
肩凝りは身近な不調だからこそ、つい我慢してしまう人も少なくありません。ただ、痛みが強い、長引いている、頭痛やしびれ、胸の締め付けなどほかの症状を伴う場合は、別の病気が関係している可能性もあります。受診のタイミングに迷っていた人は、この記事を機会に一度受診してみてはいかがでしょうか。
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※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
※AI生成画像を使用しています
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取材・文/相田佐知
ライター・編集者。鉄ヲタ男子2人の母。趣味は旅行(鉄道旅多め)、キャンプ。夢は「成田空港で行先を決めて旅行する」こと。