元ピアノ講師ママへの図々しいお願い
Aちゃんママの家のリビングにはピアノがあり、遊びに行くと子どもたちの好きな曲によく合わせて弾いてくれました。子どもたちが歌い出すと、Aちゃんママも先生だったころのように「ここはこういうリズムだよ」「この音はドー」と声をかけてくれて、私たちはいつも「素敵な時間だな」とほほ笑ましく過ごしていたのです。
そんなある日、私はAちゃんママから「実は、Bちゃんママに『娘にピアノを教えてほしい』と言われて断ったんだけど……」と相談されました。「今は生徒をとっていない」と伝えても、Bちゃんママは「じゃあ遊びに行くついででいいからさ」と引き下がらなかったというのです。
「タダで習わせる気?」思惑を見破られた瞬間
その相談を受けた数日後、再びAちゃんの家に集まる機会がありました。様子をうかがっていると、案の定「ほら、ピアノ教えてもらいなよ」と勝手にBちゃんをピアノの前に座らせるBちゃんママ。
やさしいAちゃんママは仕方なく「これがドで、これがレだよ」と教え始めました。すると、普段からお調子者キャラのCちゃんママが「そうやって娘にタダでピアノを習わせようとしてるんでしょ〜」と冗談半分に言ったのです。
まさかの図星だったBちゃんママは、動揺しながら「そ、そんなことないよ……」とBちゃんをピアノの椅子から降ろしました。事前に相談を受けていた私はもちろんのこと、周りのママたちも“無料レッスン目当てで遊びに来ている”とうすうす察していたのです。結局それ以来、Bちゃん親子が集まりに参加することはなくなりました。
娘の周りには元ダンサーのママ、習字の先生だったママ、サッカーコーチのパパなど、素敵な技術を持つ親御さんが多くいます。ありがたいことに、そのスキルを惜しみなく子どもたちに教えてくれることもあります。しかし、そこに少しでも親の欲が見え隠れしてしまうと、ママ友として付き合い続けるのは難しいと感じました。親になる前にどんな仕事をしていたとしても、今は同じ“子どもの親同士の関係”であることを忘れてはいけないと思い知らされた出来事です。
著者:河原りさ/30代女性。2016年生まれと2018年生まれの女の子2人、2024年生まれの男の子のママ。花屋に勤務。都会のおでかけスポットや植物に関心あり。
イラスト:キヨ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)