生後1ヶ月半の我が子と初めての新幹線!大きな荷物と混雑に焦り…
里帰り出産を終え、我が子が順調に育って無事に生後1ヶ月半を迎えた頃。私はついに、夫の待つ自宅へ帰る日を迎えました。
まだふにゃふにゃと柔らかく小さな赤ちゃんを抱っこし、自分の荷物に加えてベビー用品でパンパンに膨らんだ大きなバッグを抱えての移動です。
「途中で泣き出したらどうしよう……」
「周りの人に迷惑をかけたらどうしよう……」
初めての新幹線移動に、私の心は緊張でいっぱいでした。
乗車したのは自由席。車内はやや混雑しており、立っている乗客の姿もちらほら見えます。
私は大きな荷物を足元に置き、なんとか2列シートの通路側の席を確保して腰掛けました。
しかし、通路を人が行き交うたびに心がざわつき、ちっとも落ち着きません。抱っこ紐の中の我が子がこのまま到着まで大人しく眠ってくれるよう、祈るような気持ちでした。
隣の席の男性に「あの席……」と声をかけられ青ざめる
しかし、私の願いも虚しく、新幹線が発車して間もなく、赤ちゃんが小さな声でぐずり始めました。
このまま本格的に泣き出してしまうようなら、デッキに出た方がいいのかなと迷っていると、隣の窓側に座ってパソコンを開いていたスーツ姿の男性が、静かに声をかけてきたのです。
「あの席……」
(えっ……怒られる……!?)
「赤ちゃんがうるさい」「仕事の邪魔だ」と注意されるのではないかと、私は一瞬で青ざめ、肩をすくめました。身を縮めて「すみません」と謝ろうとした、その瞬間――。

「奥の方が落ち着くでしょ」男性からの思いがけない声掛け
男性は柔らかい表情を浮かべ、こう続けてくれたのです。
「よかったら、窓際の席と交代しますよ。どうぞ」
「えっ……?」
予期せぬ言葉に、私は呆気にとられてしまいました。男性は続けて、優しく言葉をかけてくれます。
「奥の席の方が、人の出入りがないから赤ちゃんも落ち着くでしょ? デッキに出たくなった時は、いつでも遠慮なく声をかけてくださいね。僕がすぐどきますから」
通路側の方がすぐに動けて安心かと焦っていた私ですが、人の行き来が激しい通路側よりも、窓際の方が少しは落ち着いて過ごせるかもしれません。そして何より「デッキに出る時はいつでも声をかけて」という配慮まで……。
初めて赤ちゃんを連れて新幹線に乗り、不安でいっぱいだった私の心に、その優しさがじんわりと染み渡り、思わず涙がこぼれそうになりました。
「うちの娘もこんな頃があったなぁ」ほっこり心温まる移動時間に
男性は開いていたパソコンを閉じると、一度通路に出て、私が窓際へ移れるようにしてくださいました。
無事に窓際の席へ移動させてもらい、ホッと胸を撫でおろした私。
さらに男性は、私の足元に置いていた大きなバッグを、座席上の荷物棚に載せるのも手伝ってくれました。
人の出入りから離れて落ち着いたのか、それまでぐずっていた我が子も、すやすやと再び気持ちよさそうに眠りにつきました。
そんな赤ちゃんの寝顔を眺めながら、男性は優しく目を細めてポツリと呟いたのです。
「うちの娘も、昔はこんな風に小さかったなぁ。今はもう大学生になっちゃいましたけどね」
その言葉からは、ご自身のお子さんが小さかった頃を懐かしむ、温かな気持ちが伝わってきました。
「そうだったんですね。ありがとうございます、本当に助かりました」と感謝を伝えると、それまでのガチガチだった緊張感はすっと消え去り、自宅までの道のりがとても心温まる時間となったのです。
あの時の優しさを、いつか誰かへ
子連れでの移動では、周囲に迷惑をかけないかと不安になり、視線に敏感になってしまうことがあります。しかし、世の中にはこんな風にそっと寄り添い、手を差し伸べてくれる優しい人がいるのだと実感した出来事でした。
私もいつか、街中で困っている人を見かけたら、この男性のように自然な優しさで手を差し伸べられる人でありたいと思います。
※AI生成画像を使用しています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。