違和感を覚え、夫に彼女がどんな人物なのか尋ねてみると、「仕事があまりできなくて手を焼いている。最近残業が増えたのも、彼女のフォローをしているからだ」とのことでした。
夫自身は彼女を何とも思っていないようでしたが、私は彼女の下心を感じ取ったため「気をつけてね」と忠告しました。
すると夫は「変な妄想はやめろ!」と不満げな様子。思わぬ態度に驚いた私は、それ以上その話題に触れるのをやめました。
彼女から突然の連絡。内容に驚いたけれど…
それから数カ月後、夫から私の連絡先を聞いたのでしょうか、部下の女性から突然連絡がありました。そこで夫との不倫を明かされ、さらに妊娠まで報告されたのです。
「ずっと前からお付き合いしているんです」という彼女。夫は「不倫なんてしていない」と言っていたのに……あんまりな裏切りでした。
彼女から離婚を迫られた私は、夫と別れることを決意しました。子どもができた以上、彼には父親としての責任を取ってもらうべきだと思ったからです。生まれてくる子に罪はありません。
「旦那様から『タワマンに引っ越しておいで』って言われちゃいました♡ これからは私たちがそこで暮らすので、おばさんは出て行ってくださいね」
不倫と妊娠の報告に留まらず、家まで追い出そうとしてくる彼女。謝罪どころか図々しい要求ばかりを突きつけてくる態度に怒りが込み上げましたが、私はぐっと押し殺して冷静を装いました。
「わかりました。キレイにしておきますね」
「あ、ババア臭もちゃんと消しておいてね!」
最後まで人をバカにした態度の彼女。……それなら、こちらにも考えがあります。
引っ越し準備をしていると…
その後、私たちが住んでいたマンションに訪ねてきたであろう不倫相手から怒りの連絡が入りました。「家の中が空っぽじゃない!」と文句を言ってきましたが、そんなの当然です。
私は「ババア臭を消して」と言われたので、ご要望通りピカピカに清掃して退去しただけ。もちろん私が使っていた家具や家電もすべて引き上げています。
あのタワマンは結婚前から私が住んでいた部屋。家具も家電もすべて私が買ったものです。だからこそ、引っ越しの際にすべて運び出したまででした。
実は私、結婚前は夫の上司でした。家庭に入ってほしいという彼の願いを聞き入れ、キャリアを捨てて退職したのです。
彼女には「大手の大型案件を自分一人で成功させた」と自慢していたようですが、それも元は私のクライアントで、彼に引き継いだだけの仕事。彼のみっともない見栄を知り、心底冷めてしまいました。
しばらくすると、今度は夫から焦った様子で連絡がありました。彼女と一緒に空っぽになった家を目にしたのでしょう。
「彼女とはただの遊びだ! 離婚する気はない!」と身勝手な言い分……子どもまで作っておいて、呆れて物も言えません。それに、私が退職するとき「キャリアを犠牲にさせた分、絶対に幸せにする」と誓った言葉は一体どこへ行ったのでしょうか。
ですが、夫の愚行はこれだけではありませんでした。実は退去準備を進めていた際、自宅のパソコンから決定的なデータを発見していたのです。それはなんと、会社の経理書類の改ざんデータ。夫は会社のお金を横領していました。
私は迷わず、元職場へすべてを報告することにしたのです。
不倫相手の彼女は…
夫が会社のお金を使い込んでいた理由は、不倫相手とのデート代やホテル代、プレゼント代でした。当然ながら、横領を起こした夫は解雇となり、会社に彼の席はもうありません。
さらに社内不倫がバレた彼女も、周囲の視線に耐えかねて逃げるように退社していきました。もちろん、二人にはきっちりと慰謝料を請求するつもりです。
夫の裏切りは決して許せるものではありませんが、彼の悪事の報告が、思いがけず復職の打診を受けるきっかけになりました。独身に戻る私にとってこれ以上ないありがたい提案です。即答でお受けすることにしました。
結局、夫が職もお金も失ったことで二人の中は崩壊し、あっけなく破局したのだそう。どうやら彼女の妊娠も、離婚して自分と結婚して欲しいための嘘だったようです。
自業自得とはいえ、離婚してあげる上に家までピカピカにして渡してあげたのに……思わず失笑してしまいました。
退去にあたり、彼が契約を引き継げるよう名義変更の手続きだけはしてあげましたが、元夫の収入だけではあのタワマンの家賃を払い続けるのは難しいでしょう。きっと今ごろ、家賃の安い引っ越し先を探しているはずです。
つらい出来事はきっぱり忘れ、これからは元の職場で気持ちを新たに、バリバリ仕事に励んでいこうと思います!
◇ ◇ ◇
「人のものを奪っても平気」「嘘をついて誤魔化せばいい」という身勝手な振る舞いは、巡り巡って必ず自分に返ってくるもの。人の痛みを踏みにじるような行いをしていれば、最後には信じていた相手からも見捨てられ、築いてきた地位も信頼もすべて失うことになります。
【取材時期:2026年6月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。