体調の悪い彼と迎えた大晦日
その日は家でテレビを見ながら、のんびり年越しをすることにしていました。けれど、彼はいつもより口数が少なく、ソファに座ったままぐったりしています。
「本当に大丈夫? 無理しないでね」
何度か声をかけましたが、彼は「平気だよ」と答えるばかり。せっかく一緒に過ごしているのに、無理をさせているのではないかと私は心配していました。
それでも時間は過ぎ、いよいよ年が変わるまであとわずか。テレビからカウントダウンが聞こえ始めた、そのときです。
それまでソファに座っていた彼が、突然むくりと立ち上がりました。
「え、大丈夫?」
立ち上がったものの、明らかに足元はふらふらしています。何をするつもりなのだろうと見ていると、彼は真剣な表情でポケットに手を入れました。
そして取り出したのは、小さな箱だったのです。
まさかのタイミングで…
彼はその箱を私に差し出しながら、「これからもずっと一緒にいてください」と、プロポーズしてくれました。
ところが、その直後。彼は力が抜けたように、その場に片膝をつきました。
一瞬、「まさか、ここまで演出なの?」と思ったのですが……彼はかなりつらそうな表情をしています。格好よく片膝をついたわけではなく、体調が悪くて立っていられなくなっただけだったようです。
感動しているのに彼の体調も心配で、さらに予想外の展開におかしさまでこみ上げてきて、頭の中はもうぐちゃぐちゃ。最後は泣きながら、「よろしくお願いします」と返事をしました。
後日、彼は「あの日はもっと格好よく決めるつもりだった」と少し悔しそうに話していました。
彼にとっては思い描いていたプロポーズとは少し違ったようですが、私にとっては、完璧ではなくても一生懸命気持ちを伝えようとしてくれたことが何よりうれしかったです。
予定どおりにいかない出来事も、時間がたてばかけがえのない思い出になるもの。あの日のプロポーズは、今でも忘れられない大切な思い出です。
著者:安田花/30代女性・2人兄弟を育てる母。趣味は夫とカラオケ。子どもたちと遊ぶこと。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年10月)
※AI生成画像を使用しています
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!