「あんたの旦那さんってエリートだったよね? ってことは、お友だちも超エリートばかりなはず♡」
そう言って期待を膨らませる友人。しかし、彼女に紹介できるような独身の男性はもうまわりにはいませんでした。
人の話を聞かない友人
「まずは最低でも1年間は仕事を続けて、ある程度自立してから将来を考えるべきじゃないかな? 今のままじゃ、エリートの人たちからは選ばれないと思う……」
私がそう苦言を呈すると、友人は「ひどい! 私が不幸になればいいと思ってるんだ!」と怒り出しました。
「あんたは真面目で頭もいいから、良い会社で働いて素敵な旦那さんもいて……自分だけ幸せならそれでいいんでしょ! だったら私だって、ハイスペックな旦那を手に入れてやるわ……あっ!」
何かをひらめいたように突然声をあげた友人。不審に思って「どうしたの?」と尋ねると、彼女は不敵に笑いながら言いました。
「意外と近くに、理想にぴったりの人がいるじゃない……!」
3カ月後――。あれから音沙汰のなかった友人から『久しぶり! 大事な報告があるの!』と連絡が入りました。
『私ね、ついに結婚が決まったの!』
わずか3カ月での超スピード婚に驚きつつも『とりあえずおめでとう! 素敵な結婚生活になるといいね』とお祝いを伝えると、彼女は誇らしげに言いました。
『もちろん、そのつもりよ!……実はね、私の結婚相手、あんたの旦那さんなの!』
友人が結婚を決めた相手は…
さらに友人は続けました。『あんたは真面目で堅物だし、いつも私にうるさいじゃない? それに自立してるんだから1人でも生きていけるでしょ? でも私には、エリートな旦那が必要なのよ!』
あまりの身勝手な言い分に、私は返信する手が止まりました。
『というわけで、旦那さん奪っちゃってごめんね♡ でも彼は私を選んだみたいだから、今すぐ離婚してちょうだい!』
悪びれもせず言い放つ友人に、私は冷ややかに告げました。
『……あのさ、私と彼、2年前に離婚してるんだけど?』
『……は?』
彼女が焦っているのがスマホ越しでも伝わります。
『ちょ、ちょっと待って! 離婚済み!? しかも2年も前ってどういうことよ! 初耳だし、彼からも何も聞いてないんだけど!?』
それもそのはず。私は元夫と離婚したことを、友人を含め周囲には一切話していなかったのです。
友人に隠していたこと
結婚当初は私の仕事を応援してくれていた元夫ですが、昇進して私の年収が彼を上回った途端、態度が急変。冷淡な扱いを受けるようになり、最終的には彼の浮気が原因で離婚しました。
友人に話せば「女が仕事に夢中になるからだ」とバカにされるのが目に見えていたため、あえて伏せていたのです。
動揺する友人でしたが、すぐに強がりを取り戻したように返信してきました。
『それって今は独身ってことでしょ!? だったら何も問題ないじゃない! 彼がハイスペックなのは変わりないんだし!』
伝えるべきか迷うけれど、これ以上愚かな勘違いを続けるのも……と思った私。風の噂で聞いた「彼の現在」を教えることにしました。
『残念だけど、彼、もう再婚してるよ。前の会社を辞めて転職して、そこの社長令嬢と結婚したんだって。それを機に重役になったらしいよ』
『えっ……!? そんなの聞いてない!』
『社長令嬢の奥様を裏切ったりしたら、せっかく手に入れた重役のポストも失うんじゃない?』私の指摘に、友人は『ど、どうしよう……」と焦っているようでした。
友人の末路
その後――。焦った友人は元夫に結婚を迫ったものの「本気にしてたの? ただの遊びだったのに勘違いすんな!」と一蹴されたそうです。
諦めきれない友人が社長令嬢の奥様にも直談判したことで浮気が明るみに……。激怒した元夫にもあっさり切られたようです。元夫は必死に奥様との関係修復を図っているのだとか……。
元夫との玉の輿婚を信じ切っていた彼女は、結婚後にお金を出してもらえると思い込み、エステや高級ブランド品にお金を注ぎ込み、ローンまで組んでいたのです。当然、破局後は多額のローン返済に追われる羽目に……。
そして私のもとには、「真面目なあんたなら貯金あるでしょ!? 友人なんだから助けてよ!」と泣きつく連絡が届くようになりました。
「結婚前提で散財するんじゃなかった!」とわめく彼女ですが、人の夫を奪おうとした相手を助ける義理はありません。私はそのまま彼女の連絡先をブロックしました。
ラクをして幸せを手に入れようとした結果、大きな代償を払うことになった友人。相変わらず私は仕事に追われる毎日ですが、要領の良さやコネを羨むことなく、自分の力で地道に歩んでいく生き方が合っているのだと、強く実感しています。
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他人の手に入れた条件やステータスだけに惹かれ、ラクをして幸せを手に入れようとしても、本当の安心や満足感は手に入らないのかもしれません。誰かに幸せにしてもらうのを待ったり他人を羨んだりするのではなく、自分自身が納得できる選択を重ね、自分の足で歩んでいくことが大切ではないでしょうか。
自分の歩む道に誇りを持って人生を切り拓いていくこと——それこそが、どんな環境の変化にも振り回されない「本当の強さ」なのかもしれませんね。
【取材時期:2026年7月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。