葬儀直後に遺産の話!?
妻は開口一番、「お義父さんの遺産ってどれくらいあるの? 1億? もっと?」と聞いてきました。さらに義母まで、「せっかくだし、そのお金で豪華な海外旅行でもして元気を出しましょうよ」と笑顔で言うのです。
思わず言葉を失った僕の隣で、姉も険しい表情をしています。父を見送ったばかりで、遺産について話す気にはなれず、妻たちには「遺産の話は今することじゃない」と伝えました。
実は妻とは以前から、金銭感覚の違いで何度も揉めていました。そして今回の言動で、僕の中で妻への違和感が決定的なものに。葬儀が落ち着いてから、妻とは改めて話し合うことにしました。
後日、「前から感じていたけど、君の考え方や金銭感覚が理解できない」と伝えました。すると妻は「そこまで言うなら離婚でいい」と、すんなり了承したのです。こうして僕たちは離婚することになり、その後、離婚届を提出しました。
元妻が勝手に旅行を予約して…
それから数日後、僕は姉に手伝ってもらい、元妻と暮らしていた家から自分の荷物を運び出していました。
そこへ元妻が帰宅したのですが……僕たちを見るなり、「そういえば、旅行の申し込みしたから。私とお母さんで行ってくるね。100万円くらいかかるんだけど、申込金の20万円はもう払ってあるから。残りの80万円はお義父さんの遺産から払ってね」と笑いながら、スマートフォンの予約画面を見せてきたのです。
僕は「どうして僕が払わなきゃいけないの? もう離婚してるし、君たちの旅行に僕は関係ないでしょ。僕は払わないからね」と答えました。すると、元妻は不満そうな顔をして、「お義父さんが亡くなったのは離婚前なんだから、私にも少しくらい分け前があるでしょ?」と言い出したのです。
姉が元妻にきっぱり反論!
そのとき、それまで黙っていた姉が口を開きました。
「父の遺産は、あなたたちの旅行に使うためのお金じゃない。離婚前に父が亡くなったからって、あなたが父の相続人になるわけじゃないでしょう。旅行代は自分たちで払いなさいよ」
元妻は「でも、もう予約しちゃったのよ!」と食い下がりましたが、姉は「だったら自分たちで払えばいいでしょう。もう弟はあなたの家族じゃないんだから、頼らないで!」と一蹴。
僕も「もう僕は荷物を持って出ていくから、旅行の件は自分たちでどうにかしてね」と伝えました。そして、まだ納得できない様子の元妻を残して、僕たちは家をあとにしたのです。
遺産を当てにした結果…
元妻と義母はすでに20万円の申込金を払っており、今さらキャンセルするのはもったいないと考えたようです。結局、自分たちの貯金を取り崩し、残りの80万円を支払って、予定通り海外旅行へ出発したとのこと。
もちろん、元妻が当てにしていた父の遺産が、元妻の手元に渡ることはありません。大きく貯金を減らすことになった元妻と義母は、「こんなはずじゃなかった」と頭を抱えていました。
僕にとって、父を亡くした直後の離婚はつらい出来事でした。それでも少しずつ気持ちを整理することができたのは、姉が支えてくれたおかげです。今回のことで、どんな関係でも相手を思いやる気持ちが大切なのだと実感しました。これからは、自分や大切な人を思いやりながら、穏やかに過ごしていきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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