ママがいなくなり、家事や家計を自分たちで回すことになった蒲倉家。しかし、夕飯は3日連続でハンバーガー、ゴミ捨ても忘れるなど、生活はすぐに乱れ始めます。
萌香は「ママはいつ帰ってくるの!?」とパパに詰め寄りますが、律は、帰ってこない日が増えるほど、覚悟を決める必要があるのではと考えるように。
さらに、ママが家の鍵を置いて出ていったこともわかります。家族は、ママが自分の意思でもう戻らないと決めたのではないかと、言葉を失い……。
ママから届いた荷物……でも名前が?




















萌香は、ママが本当に帰ってこないのかと考えます。ママがいないと困る、でもパパがいないと送迎してもらえなくなって困る……と、自分の都合ばかりが頭に浮かびます。
一方パパも、ママがこのまま帰らず離婚を考えているのではと不安に。最初は「俺が何をした?」と思いますが、やがて「俺は何もしていなかったのか」と考え始めます。
そんなある日、ママから家族宛に荷物が届きます。しかし差出人名は、ママの旧姓である「百瀬」。家族は離婚届が入っているのではと身構えますが、中にあったのは有名店のお菓子でした。萌香は、それがK市のお店のものだと気づくのでした。
◇ ◇ ◇
家族が突然いなくなったとき、心配と同時に「自分の生活に支障がでて困る」という気持ちが湧いてくることがあります。困ってしまうのは、それだけ相手に助けられて暮らしてきた証でしょう。
しかし、「困る」という思いだけに気持ちが向いてしまうと、大切なことを見落としてしまいます。「無事だろうか」「つらい思いをしていないか」まずは、相手の状況に心を向けたいものです。あわせて、自分が知らないうちに相手を傷つけていなかったか、振り返る姿勢も持ちたいところ。人を傷つけるのは、強い言葉だけとは限りません。無関心が相手を深く傷つけてしまうこともあるのです。
また、荷物が届いたからといって、無事が確認できたわけではありません。連絡が取れず、行き先もわからない状態が続くなら、家族だけで判断せず、警察への相談も含めて早めに動くことが大切ですね。
紙屋束実
