ごみ捨て場で遭遇した見知らぬ男性
その日は散歩も兼ねて、まずアルミ缶だけを捨てに来ていました。いったん家へ戻り、今度はスチール缶を持って再びごみ置き場へ向かうことに。すると、先ほどの男性がまだそこにいました。しかも、私がさっき置いたアルミ缶の袋を開けていたのです。
私は思わず、「うちのごみ袋に何かありましたか?」と声をかけました。
男性は、私が戻ってくるとは思っていなかったのか、少し驚いた様子です。そして慌てたように、「アルミ缶の中にスチール缶を入れてしまった気がして、どれが自分の捨てた袋かわからなくなって……」と説明してました。
「それは、さっき私が置いた袋です」と伝えると、男性は「ああ、そういえばさっき置いていたね。じゃあ、こっちかな」と言い、今度は別の袋を開け始めたのです。他人のごみ袋を次々と開ける様子に、なんとなく不自然さを感じます。ただ、抱っこしていた息子がぐずり始めたこともあり、私はそれ以上何も言わずにその場を離れました。
5日後、回覧板で資源ごみの持ち去りに関する注意喚起が回ってきました。そこには、アルミ缶だけを持ち去る人がいることや、トラックで運んでいく様子が目撃されていることなどが書かれていました。
さらに、服装や年齢などの特徴も記載されていました。以前、ほかの住人が声をかけた際には、その人物が「アルミ缶の中にスチール缶を入れたかもしれない」と説明していたそうです。
それを読んだ瞬間、「私が会った人と同じでは?」と思いました。私が聞いた説明とほとんど同じだったからです。
もちろん、私が見た男性が同じ人物だったのかはわかりません。それでも、年齢や服装の特徴だけでなく、声をかけられたときの説明まで似ていたため、「もしかして、あのときもアルミ缶を持ち去ろうとしていたのかな」と考えてしまいました。
この一件のあと、私たちの地域では、アルミ缶などの資源ごみは収集時間の少し前に出すよう呼びかけられるようになりました。
あの男性と会うまで、資源ごみの持ち去りは、どこかニュースの中の出来事のように思っていました。けれど、自分の暮らしのすぐそばで起きているのだと知ってからは、ごみを出す時間ひとつにも気を配るようになりました。ほんの小さなことですが、こうして地域みんなで意識していくことが、暮らしを守る一歩になるのだと思います。
著者:竹村理絵/30代女性/2016年生まれの一人息子がいる。内職をして息子のために時間を費やしているが、過保護過ぎないように気をつけている。趣味はネイル。家にいることが多いため、ダイエットを意識しないと太ってしまうのが悩み
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
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