A男と話したことで…
高校時代、休み時間に本を読んでいた私に、同じクラスのA男が声をかけてきたことがありました。
A男は当時、学年でも有名なイケメン。話してみると、好きな作家や映画など共通の趣味が多いことがわかり、思いがけず会話が盛り上がりました。
ところが、その様子をB子に見られてしまいました。B子は以前からA男に好意を持っていたようで、それをきっかけに私への当たりがさらに強くなったのです。
A男と何を話していたのかしつこく聞かれたり、「少し話したくらいで勘違いしないほうがいい」と嫌味を言われたりするようになりました。友人たちとこちらを見ながら笑われることもあり、私は次第に居心地の悪さを感じるようになりました。
私自身、A男に特別な気持ちを抱いていたわけではありません。それでも、私と話すことでA男まで変な噂を立てられるのは嫌で、それからは自分から距離を取るようになりました。
そのまま高校を卒業し、A男ともB子とも疎遠になったのです。
数年後、思いがけず再会
高校卒業後、私は飲食関係の仕事に就き、カフェで働くようになりました。いつか自分の店を持つことが、長年の夢でした。
そんなある日、勤務先のカフェにA男が偶然やって来ました。
卒業以来の再会でしたが、話してみると高校時代と同じように趣味の話で意気投合。その後も連絡を取るようになり、やがて交際が始まりました。
数年後、私たちは婚約。現在は私の夢だったカフェを開くため、2人で物件を探すなど準備を進めています。
そんなある日、高校の同窓会の案内が届きました。卒業後はほとんどの同級生と連絡を取っていませんでしたが、みんながどうしているのか気になり、参加してみることにしたのです。
「こんな地味な女、学年にいたっけ?」
同窓会当日。会場では懐かしい顔を見つけ、何人かと近況を話していました。
すると、後ろから聞き覚えのある声がしました。振り返ると、そこにいたのはB子でした。
B子は私をじろじろと見たあと、「こんな地味な女、学年にいたっけ?」とわざとらしく首をかしげました。そして少ししてから、「あ~、○○(私)か。相変わらず地味だね~」と笑ったのです。
卒業して何年もたっているのに、態度は高校時代のままでした。その後も、仕事や普段の生活についていろいろと聞かれましたが、言葉の端々に私を見下すような雰囲気がありました。
私はまともに相手をするのも疲れると思い、適当に受け流してその場を離れようとしました。
すると、そのときです。
「どうしたの?」
聞き覚えのある声に振り返ると、A男がこちらへ歩いてきました。A男の姿を見た瞬間、B子の態度は一変。急に黄色い声を上げ、「久しぶり~!」とうれしそうに駆け寄りました。
さらにB子は、私を指して「覚えてる? 昔から地味だった子」と笑いました。あきれて何も言えずにいると、A男はそんな私の様子を見て、何かを察したようでした。
そして、私の肩をそっと抱くと、「もう帰ろうか」とやさしく声をかけてくれたのです。
まさかの関係にB子は絶句
A男と私の姿を見て、B子は固まりました。
そこでA男が、私たちが婚約していることを伝えました。数年前に再会して交際を始めたと知ると、B子はさらに驚き、「なんでこんな地味な女と……」と口にしたのです。
すると、近くでやりとりを聞いていた同級生のひとりが、「B子って、そうやって人を見下すところ、昔から変わらないよね」とぽつり。
その子も高校時代、B子から嫌味を言われて嫌な思いをしたことがあったそうです。すると別の同級生も「私も」と続きました。
さすがのB子も何も言えなくなったようで、気まずそうにその場を離れていきました。
高校時代の私は、B子に何か言われるたび、自分に原因があるのではと気にしていました。しかし今では、他人が勝手につけた評価に振り回される必要はないと思っています。
今は好きな仕事を続けながら、自分の店を持つという夢に向かって進んでいます。そして、その夢を応援してくれるA男もそばにいます。これからも周囲の言葉ではなく、自分が大切にしたいものを大事にしていこうと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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