義母との同居を決めて…
義父を亡くしてから、義母は一人で義実家に暮らしていました。家も古くなっていたことから、ある日、義母から「二世帯住宅にして一緒に住まない?」と相談されたのです。
夫の兄一家は遠方で生活しており、地元へ戻る予定はありませんでした。そのため、夫も以前から義母の今後を気にかけていたようです。
私も義母との関係はそれほど悪くなかったため、夫婦で話し合った末、同居を決めました。
義実家を二世帯住宅にリフォームし、費用は義母と私たち夫婦で負担することに。義母が最初にまとまった額を出し、残りは夫がローンを利用して支払う予定でした。
間取りや設備について何度も話し合い、やがて工事がスタート。新しい生活に少しずつ現実味が出てきたころ、状況が大きく変わりました。
長男一家が地元へ戻ることに
仕事の都合で、長男一家が地元へ戻ってくることになったのです。義母はとても喜び、それからというもの長男一家の話をすることが増えました。
そして工事が進んでいる中、義母から突然こんなことを言われました。
「この家には長男一家と住むことにしたから」
どうやら義母は、地元へ戻ってくる長男一家が新しく住まいを探すくらいなら、二世帯住宅に住ませればいいと考えたようです。
さらに、私たち夫婦は今の家にそのまま住み続ければいいとのこと。これまで一緒に暮らす前提で準備し、費用まで負担する予定だった私たちにとって、あまりにも勝手な話でした。
ところが夫は少し考えたあと、あっさりと言いました。
「わかった。じゃあ、俺たちはこの話から抜けるよ」
私たちは計画から抜けることに
夫が続けて、「俺たちが負担する予定だったローンの話もなしでいいよね」と言うと、義母の表情が一変しました。
「えっ? どうして?」
義母は、すでにローンの手続きも進んでいたため、私たちが住まなくなっても予定どおり費用を負担すると思っていたようです。
「親が住む家なんだから、それくらい援助してくれてもいいじゃない」
しかし、そこに住むのは義母だけではなく、長男一家でもあります。
夫は「俺たちが住まない家のローンを払うわけないでしょ。残りは兄さんたちと相談して」ときっぱり伝えると、それ以上言い争うことなく、私に「帰ろう」と声をかけました。
その後、夫は銀行へ相談。幸い、まだ融資実行前だったため、予定していた借り入れは取りやめることができました。
あとで夫に、なぜあんなにあっさり身を引いたのか聞くと、「あんなふうに勝手に話を決める母さんと一緒に住んでも、君も落ち着かないでしょ?」とのこと。私のことも考えたうえで、早々に計画から離れることを決めてくれたのでした。
長男夫婦も困惑
その後、義母は長男夫婦にも費用の相談をしたそうです。しかし、長男一家は家計に余裕がなく、リフォーム費用まで負担できる状況ではありませんでした。
しかも、義母からは「二世帯住宅があるから住めばいい」とだけ聞かされており、費用の話はほとんどされていなかったとのこと。結局、長男夫婦も同居を断り、義母は資金計画から見直すことになりました。
しばらくして、義母から私たちに「やっぱり予定どおり一緒に住まない?」と連絡がありました。しかし、夫は断りました。
一度、義母の都合で私たちとの約束を変えられた以上、同じ屋根の下で安心して暮らせるとは思えなかったからです。私たちはそのまま別の場所で暮らすことを選びました。
家族だからといって、相手が自分の都合に合わせてくれるのが当たり前ではありません。住まいやお金に関わる大きな話だからこそ、お互いの気持ちを尊重することが大切なのだと感じました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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