床の間を見ると…半分以上ない!?
ふと気づくと、隣にいたはずの息子の姿がありません。慌てて辺りを見回すと、息子は床の間の前にいました。そして、飾られていた南天の実を一粒ずつちぎり、おもちゃのくぼみに入れて、コロコロと転がして遊んでいたのです。
「だめ!」慌てて止めましたが、南天の実はすでに半分以上なくなっていました。私は青ざめながら店員さんに事情を話し、「弁償します。本当にすみません」と何度も謝りました。
すると店員さんは、怒るどころか笑いながら、「そんなのでよかったら、いつでも取りにおいで」と言ってくださったのです。
さらに帰り際には、息子にお菓子まで持たせてくれました。申し訳なさと、お店の方の温かさで胸がいっぱいになりました。
3年後、再びお店へ行くと
それから3年後。小学生になった息子を連れて、再びあのうどん屋さんへ行く機会がありました。すると、お店の方はなんと息子のことを覚えていて、「あの南天の子だよね」と笑って声をかけてくださったのです。
床の間を見ると、そこにはまたたくさんの南天の実が飾られていました。食事を終えた息子が、「ごちそうさまでした。また来ます」と挨拶すると、お店の方は、「立派になったねぇ」と笑顔で言ってくれました。
あの日、青ざめるほど焦った出来事が、今では息子の成長を感じるあたたかい思い出になっています。
小さな子どもとの外出では、ほんの一瞬目を離しただけで思わぬことが起こるものです。周囲の物に触れないよう気をつけること、そしてお店の方への感謝を忘れないことの大切さを改めて感じた出来事でした。
◇ ◇ ◇
小さな子どもとの外食では、少し目を離したすきに思わぬ行動をしてしまうことがありますよね。今回のように、飾られている木の実や小さな部品などを手に取ってしまうと、お店に迷惑をかけるだけでなく、誤飲や窒息につながるおそれもあります。
3歳児が口を開けたときの最大口径は約39mmとされ、トイレットペーパーの芯を通る大きさの物は、誤飲する可能性があるといわれています。外出先でも、子どもの手が届く場所に小さな物がないか、改めて確認しておくと安心です。
もし子どもが誤飲してしまったときは、基本的には無理に吐かせることはせず、誤飲した物と同じ物を持参して速やかに医療機関を受診しましょう。飲み込んだ物によっては救急車を呼ぶなど緊急の対応が必要です。ただし、喉に物を詰まらせてしまったら、すぐに119番通報をし、以下の応急処置をおこなってください。
<意識がない、呼吸がない場合>
心肺蘇生(気道確保・胸骨圧迫)をおこないます。
※母子健康手帳に方法が記載されています。もしものときのために、日ごろから手順を把握しておくと安心です。
<1歳以上の子どもの場合>
腹部突き上げ法(ハイムリッヒ法)をおこないます。
①子どもの背中側から救護者の両手を回す
②みぞおちの前で両手を組み、勢い良く両手を絞ってぎゅっと押す
<1歳未満の乳児の場合>
①救護者が膝を曲げ(もしくは椅子に座り)、太ももの上に子どもをうつ伏せに抱きあげる
②子どもの背中の、肩甲骨の間のあたりを手のひらで5~6回強く叩き、詰まった物を吐き出させる(背部叩打法)
それでも窒息が解除できない場合や意識がない場合には……
③子どもをあお向けに寝かせ気道を確保し、心肺蘇生と同じように、左右の乳頭を結んだ線の中央で、少し足側を指2本で押す(胸部突き上げ法)
監修:関根直子(助産師)
著者:木田 七恵/50代女性/6歳と2歳の一男一女を育てる母。Webメディア関係の在宅業務。趣味は宅トレ。
イラスト:あやこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
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