クレーマーに遭遇

以前、私はカフェでアルバイトをしていました。レジで注文を受け、ドリンクを作り、受け渡し口でお渡しする方式のお店です。
ある日、中年男性のお客さまが受け渡し口で、「注文と違うドリンクが出てきた!」といきなり怒鳴り始めました。慌てて私が対応に向かうと、男性は威圧的な態度のまま、
「注文と違ったんだ、早くしろ」
「店員のくせに」
と、心ない言葉を次々に浴びせてきました。
急いで伝票を見直すと、男性の注文どおりのドリンクをお渡ししていたことが確認できました。私は「ご注文どおりのドリンクをお作りしています。ただ、もし違っていた場合は作り直しますのでお申し付けください」と、できるだけ丁寧に説明しました。
それでも、男性の怒りは収まりそうにありませんでした。こちらの言葉が届かないまま、受け渡し口の空気だけが重くなっていきました。
そのとき、後ろに並んでいた別の女性のお客さまが、
「店員さん、すごく丁寧に対応してくれているよ。怒るのはお門違いじゃない?」
とひと言、男性に向けて言いました。
男性は途端にバツが悪そうに黙り込み、結局そのまま商品を受け取ると、足早に店を出ていきました。私は心の中で女性に「ありがとう!」と叫びました。さっきまで張り詰めていた空気が、ひと言でほどけていった気がしました。
◇◇◇◇◇
あの場で女性が声を上げてくれたことで、私は大きく救われました。理不尽な相手を前にしても、冷静さと礼儀を崩さずに立っていることは、すぐには報われなくても、ちゃんと誰かが見てくれているのだと思います。
そしていつか自分も、誰かが不当な扱いを受けている場面に出合ったら、状況を見極めた上で、同じように背中を支えられる人でありたいです。
著者:田所弘子/30代女性・会社員
後輩なのに上から目線?止まらないマウント

大学生のころ、カフェでのアルバイトに打ち込んでいた私には、ひとつだけ頭を抱える「悩みの種」がありました。それは、私より半年後に入ってきた年上の女性スタッフの存在です。
勤務歴も仕事の習熟度も私のほうが上であるにもかかわらず、彼女はなぜか常に「先輩風」を吹かせてくるのです。「それまだ覚えてないの?」「気が利かないなぁ」。ことあるごとにマウントを取ってくる彼女に対し、言い返したい気持ちをぐっと飲み込む毎日は、正直かなりのストレスでした。
そんなある日、彼女との関係が変わるきっかけとなる出来事が起きました。彼女がレジ操作で大きなミスをし、会計待ちのお客さまがざわつき始めたのです。 焦ってパニックになる彼女を見て、私はすぐにその場に入りました。
まずはお客さまに落ち着いておわびをし、迅速に会計処理をフォローしました。店長への事情説明もスムーズにおこない、トラブルを無事に収めることができました。
事態が落ち着いた後、店長が私にかけた言葉は忘れられません。
「やっぱり、ゆりさん(私)がいると安心だね」
そのひと言で、周囲のスタッフの見る目も少し変わったように感じました。何より、その一件以来、彼女も私に対する態度を改め、接し方が柔らかくなったのです。あのとき感じた、胸のすくような解放感は今でも鮮明に覚えています。
◇◇◇◇◇
言葉で対抗するのではなく、相手の窮地を救う行動を取ったからこそ、周囲からの信頼を得られたのだと思います。張り合うことなく、仕事ぶりを通して認めてもらえたあのときの出来事は、胸のすく思いとともに、自信につながる経験となりました。
著者:時田ゆり/20代女性・アルバイト
イラスト:おみき
まとめ
2つの体験談の投稿者は、理不尽な相手と同じ土俵にのることなく、真摯(しんし)に対応していました。すぐに状況が変わらなくても、その姿を見てくれている人はいます。目の前の仕事に誠実に向き合う姿勢や、日々積み重ねてきた信頼が、職場でのトラブルを乗り越える力につながるのだと感じさせられました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※一部、AI生成画像を使用しています
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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