「彼と離婚してほしくて連絡しました!」夫のスマホを見て私の番号を調べたという彼女は、いきなりそう切り出すと「彼は私と一緒にいたいって言ってくれてます」「奥さんにはもう愛なんかないんですって!」と続けました。
しかし、見ず知らずの女性から突然そんなことを言われても、すぐには信じられません。
すると彼女は、「そんなに信じられないなら、証拠を見せましょうか?」と言ってきて……?
離婚を迫る浮気相手
「先週は1周年記念で福岡旅行に行ってきたんです! そのときのデート写真もありますけど、送りましょうか?」彼女の言葉に、私は息をのみました。
たしかに夫は先週、「出張だ」と言って福岡へ泊まりがけで出かけていたのです。
私が言葉を失っていると、彼女は勝ち誇ったように言いました。
「写真を送らなくても、信じてくれそうですね?」そして、さらに得意げに話し始めたのです。
「まぁ、彼と離婚したくない気持ちもわかりますよ? なんてったって大企業勤めのエリートで、年収も1,000万円超えですもんね! それに彼、子どもを欲しがってるんです! 彼の幸せのためにも、とっとと離婚してください!」
「えっ……?」私は思わず声を上げてしまいました。
というのも、大企業に勤め、年収が1,000万円を超えているのは夫ではなく、私のほうだったからです。
それどころか、「子どもを持つのはまだ早い」と言って、妊娠につながりそうなタイミングを避けていたのも夫でした。
私が返す言葉を探しているうちに、彼女は「彼のことが好きなら、彼の幸せを考えて身を引いて! わかった? 早く離婚してくださいね!」と言い残し、一方的に電話を切ってしまいました。
浮気相手からの妊娠報告。私が下した決断は?
それから1週間後――。この1週間、私はあえて夫を問い詰めず、これからどうするかを1人で考えていました。そんなとき、再び浮気相手から電話がかかってきたのです。
まだ離婚していないことを責める彼女は、続けて衝撃的なことを告げました。妊娠検査薬で陽性反応が出たというのです。夫との子どもを妊娠した以上、今度こそ私が離婚すべき――彼女はそう考えているようでした。
そこで私は、あっさりと答えました。「オッケー! すぐ出ていくから、頑張ってね!」
予想外の返事だったのでしょう。彼女は明らかに戸惑っていました。
念のため、本当に夫の子どもなのか確認すると、彼女は夫以外の男性とは関係を持っていないと断言。さらに彼女は、私に今日中に家を出るよう迫り、「離婚届もすぐに出して」と要求しました。離婚後は、自分が「新しい妻」としてこの家に住むつもりなのだそうです。
すっかり夫との新生活を思い描いている彼女に、私はため息をつきながら伝えました。
「それじゃあ、年収200万円の男と子育て、頑張ってね!」彼女は言葉を失いました。
そこで私は、このマンションの家賃をこれまで全額負担していたのが私であること、そして夫は稼ぎが安定せず、子どもを持つことに消極的だったことを説明しました。
すると、それまでの勢いがうそのように、彼女は動揺し始めました。
夫はいつもデート代を出し、頻繁にプレゼントもくれていたため、年収200万円だとは到底思えなかったのだそう。また、いつも「早く子どもが欲しい」と話していたとのことでした。どうやら夫は、彼女の前では「高収入で子ども好きな男性」を演じていたようです。
現実を知った彼女は、「私とおなかの子どもはどうなるの?」「彼に喜んでもらえると思ったのに」と取り乱し始めました。しかし、それは私が考えることではありません。
「それは夫と2人で話し合って。私は離婚するし、この家も出ていくから。名義も変えておくから家賃の支払いよろしくね!」そう伝えて、やり取りを終えました。
妻に離婚を切り出され、夫は……
その日のうちに、私は必要な荷物をまとめて家を出ました。数時間後、焦った様子の夫から電話がかかってきました。帰宅すると私の荷物がなく、リビングには私の署名だけを済ませた離婚届が置かれていたため、驚いたようです。
私が、夫の彼女から「離婚して家を出ていってほしい」と言われた経緯を話すと、夫は彼女との関係を「ただの遊び」だと言い訳し、離婚だけはやめてほしいと必死に引き止めてきます。
私は続けて、彼女が妊娠しているらしいことも伝えました。
「えええええ!?」心底驚いていた夫。彼女はまだ、妊娠について夫に伝えていなかったようです。
しかし夫は、自分の浮気を棚に上げて彼女を責め始めました。「はぁ!? あいつ、何考えてんだよ……勝手にそんなことされても困るんだけど」
「そう言える立場じゃないでしょう」私は思わず、そう返していました。出張だと嘘をついて浮気を続け、その結果、彼女が妊娠した可能性まで出てきたのです。私にとっては、もう離婚以外の選択肢はありませんでした。
それでも夫は、「一生かけて償う」と食い下がります。
ところが、話を聞いていると、夫が離婚を嫌がる理由は別のところにもあるようでした。
自分の給料だけでは今のマンションの家賃や車の維持費を払えないうえ、浮気相手もカフェで週3日働いているだけなので頼れないというのです。
こんなときになっても心配しているのは、自分の生活のことばかり。私は心底あきれました。
「やっぱり離婚したほうがよさそうね。今後のことは弁護士を通して話しましょう」そう告げて、電話を切りました。
その後――。
弁護士を通して話し合いを進め、私たちは正式に離婚しました。慰謝料についても夫と浮気相手の双方に請求し、話し合いの末、納得できる形で支払ってもらうことができました。
ただ、2人ともほとんど貯金がなかったようで、結局一緒になった2人は、支払いのために元夫の両親へ頭を下げ、お金を立て替えてもらったそうです。
しかも元義両親は、ただお金を出したわけではありません。「同居して、孫を好きなようにかわいがらせてくれるなら、お金は返さなくてもいい」そんな条件を出したのだとか。
私は結婚していたころ、義実家へ行くたびに家政婦のように扱われていました。そのため、元夫の浮気相手が今、どんな思いで同居生活を送っているのかは、なんとなく想像できます。
弁護士とのやり取りや離婚の手続きは大変でしたが、今となっては元夫と別れられて本当によかったと思っています。これからは自分の人生を大切にしながら、新しい出会いにも前向きになれたらと思っています。
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相手を裏切る浮気や見栄のための嘘、そして誰かの家庭を壊してまで手に入れられる幸せなど、存在しないもの。不誠実なおこないはいつか必ず自分に跳ね返り、大切なものを失ってしまうでしょう。
どんなときも相手や自分に対して誠実でいることが、結果として自分自身の人生と幸せを守ることにつながるのかもしれませんね!
【取材時期:2026年7月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。