「赤ちゃんの腎臓が腫れている」と言われ…
私の妊娠経過は順調で、何の問題もありませんでした。赤ちゃんも平均的に成長していました。ところが、妊娠32週5日に定期妊婦健診を受けたときのことです。いつものようにエコーを当てていた先生が言いました。「赤ちゃんの左の腎臓が腫れているな」。私は耳を疑いました。先生はエコー画面を指さし、所見を説明してくれました。
「赤ちゃんは病気を患って生まれてくるの?」と私は大きなショックを受けました。健診の帰り道のことはよく覚えていません。
水腎症の疑い…検索ばかりしてしまう日々
先生は、「自然に改善することもよくあるし、心配しすぎなくていい」と言ってくれていました。でも、赤ちゃんに異常が見つかったことで私はとても不安になり、ネットで同じ境遇の方の体験談を探し、何度も読みました。同じ境遇の方の体験談を読み、「大丈夫だった」という結果を見て安心したかったのです。
その後の妊婦健診も定期健診のみでしたが、出産まで6回受けた健診で、毎回「腎臓が腫れている」と言われました。
無事出産! 赤ちゃんの腎臓の腫れの経過
わが子は男の子で、出産予定日ちょうどで元気に生まれてきました。生まれてからはよく母乳を飲んでおしっこもしっかりと出ていました。
生後6日目に先生が赤ちゃんにエコーを当てると、「左の腎臓に水が溜まっている」という所見がありましたが、もしもおしっこが少なかったり、濃い黄色のときにはすぐに相談するという約束で、母子一緒に退院できました。退院後もよく飲みよくおしっこをする元気な赤ちゃんでした。
生後1カ月健診で総合病院紹介
生後1カ月の健診でも、左の腎臓に水が溜まっていたわが子。「一度大きな病院で診てもらうように」と紹介状を渡され、1週間後に大学病院の泌尿器科を受診しました。
先生がエコーを当ててみると、なんと腎臓の水が抜けて正常な状態とのこと! 先生からは、「おしっこが出にくいときや、風邪症状がないのに熱が出たときは、かかりつけの小児科でおしっこの検査をするように」と言われ、症状がなければ通院はいらないとのことでした。結果は違ったけれど、妊娠中の早い段階で医師から言われたことで、知識を得る時間があったのはよかったと思います。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/助産師 松田玲子
作画/はたこ
著者:山下 ひいこ
一児の母。看護師・鍼灸師の資格を持ち、逆子治療やマタニティケアなどを行っている。自身の経験を生かし、不妊や妊娠・育児に関する体験談を中心に執筆活動を行う。