楽しみにしていた記念日旅行
旅行先は、以前から2人で行ってみたいと話していた人気の観光地。ちょうど記念日のころに2人の休みが合うことがわかり、急きょ旅行することを決めました。
観光シーズンの三連休だったため、私はまず新幹線のチケットを2人分手配しました。
続いてホテルを探すことに。実は、旅行先には叔母が経営しているホテルがあったため、空室がないか聞いてみました。しかし、空いていたのは予算を大きく超える特別室だけ。いったんは諦めようとしたのですが、叔母が「せっかくの記念日だから」と、特別に安く泊まらせてくれることになったのです。
彼にはホテル名だけを伝え、叔母が経営していることや、特別室を予約したことは内緒にしていました。当日、部屋を見て驚く彼にネタばらしをするつもりだったのです。
ところが迎えた旅行当日の朝。出発の準備をしていた彼が突然、「やっぱり友だちと行くから」と言い出しました。
あまりに突然で、私は言葉を失いました。
さらに彼は、私が手配していた新幹線のチケットを、私の分まで持って行こうとしたのです。慌てて止めると、「金はあとで払うから!」と悪びれる様子もありません。そのうえ、私が予約したホテルもそのまま使うと言いました。
私は「あのホテルは……」と事情を説明しようとしましたが、彼は聞く耳を持たず、そのまま出て行ってしまったのです。
すぐに予約をキャンセル
少しして我に返った私は、すぐに叔母へ連絡しました。自分が泊まらない以上、叔母の厚意で用意してもらった特別室をそのままにしておくわけにはいかないと思い、予約はキャンセルすることに。
一瞬、「今から彼が泊まる場所なんて見つかるのかな……」と心配になりました。しかし、私を置いて勝手に出て行った彼の宿泊先まで、私が心配する必要はありません。
「ごめん。今日、行けなくなっちゃったからキャンセルしてもいい?」
詳しく説明する気力はありませんでしたが、叔母は深く事情を聞かず、「わかった」と言ってくれました。そして、落ち込んでいる私の声から何かを察したのか、最後に「大丈夫?」とだけ声をかけてくれました。
ところがその日の夕方、叔母から電話がかかってきたのです。
「さっき、彼氏さんがホテルに来たんだけど……」
叔母の前でついたウソ
叔母によると、彼は女性を連れてホテルに現れ、フロントで私の名前を出したそうです。
しかし、予約はすでにキャンセル済み。スタッフからそのことを伝えられると、彼は「なんでキャンセルされてるんだ」と不満そうに食い下がったのだとか。
困ったスタッフが支配人である叔母を呼びました。予約名を聞いた叔母は、彼が私と旅行する予定だった男性だと気づいたそうです。
「○○ちゃん(私)と来る予定だった方ですよね? 私、○○ちゃんの叔母です」
叔母がそう名乗ると、彼は明らかに動揺したそうです。さらに、一緒にいる女性について尋ねると、彼はとっさに「妹です」と答えたとのこと。
不審に思った叔母が「じゃあ○○ちゃんに確認してみるね」と言うと、彼は急に「もういいです」と言い放ち、女性を連れて逃げるようにホテルを出て行ったそうです。
話を聞きながら、私は胸がざわつきました。「友だちと行く」と言っていたけれど、やっぱり女性だったんだ……。
しかも、彼に妹はいません。私がそう伝えると、叔母も「やっぱり……」と呆れていました。
翌日、彼から鬼電が…
翌日、彼から何度も連絡が入りました。
どうやらホテルを出たあと、なかなか宿が見つからず、かなり離れた場所まで移動したようです。一緒に行った「友だち」とも揉めたらしく、せっかくの旅行どころではなかった様子でした。
それでも彼は、「ホテルを使うって言ったのに、なんでキャンセルしたんだ」と私を責めてきました。
しかし、私が泊まらないホテルをキャンセルするのは当然です。私が予約したホテルへ別の女性を連れて行こうとしたうえ、泊まれなかったことまで私のせいにして怒ってくる彼に、気持ちは完全に冷めました。
その後、私は彼との関係を終わらせました。
楽しみにしていた記念日旅行がなくなったことは残念でしたが、あの日の出来事で、彼がどれほど自分勝手な人なのかを思い知らされました。自分の都合ばかりを優先し、相手を思いやれない人に振り回される必要はないのだと感じた出来事です。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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