「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。今回は予定帝王切開に関するご質問です。
Q.予定帝王切開の日程はいつ決まるのでしょうか?
現在、妊娠26週、第三子を妊娠中です。2人目が緊急帝王切開での出産だったため、今回も帝王切開で出産と産院の先生から言われています。予定帝王切開の場合、日程はいつ頃ごろ決まり、妊娠何週目を目安に計画されるのでしょうか?
高杉絵理助産師からの回答
予定帝王切開でしたら、妊娠37週以降に手術日を決められることが多いです。日程についてのご相談は早めにされる病院もあれば、妊娠30週以降にされる病院もあり、さまざまです。上のお子さんもいらっしゃるので早目に予定を立てておきたいという質問者さんのお気持ちもよくわかります。健診の際に先生にお気軽にお尋ねいただければと思います。
※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください
予定帝王切開に向けて事前におこなう検査や準備は?
手術予定日が決定したら、医師が文書を用いて帝王切開の適応や手術の流れ、麻酔方法、帝王切開に伴う合併症の可能性、静脈血栓塞栓症の予防の必要性、輸血の可能性や合併症などについて説明をします。施設ごとに文書は異なりますが、手術同意書、麻酔同意書、輸血同意書などがあります。これらの書類は、説明を聞いた後に妊婦さんとその家族の署名が必要となる大切な文書でもあります。
このような説明は、妊婦健診で外来を受診したときにおこなわれますが、麻酔の説明は麻酔科医によって入院後におこなわれる場合もあります。説明を聞いて、わからないことがあれば医師や助産師へ質問し、同意書の内容をきちんと理解し、納得したうえで同意書に署名しましょう。
そして帝王切開を安全におこなうために事前に検査が必要です。妊婦健診の際に、感染症や血液検査、尿検査などはおこなっているので、それらの結果も参考にしながら下記のような検査をおこないます。
・血液検査:手術中の出血に対する準備や麻酔方法の決定のために採血をする
・胸部X線検査:肺の状態や心臓の大きさをチェックする
・心電図:手術中の出血や麻酔によって循環動態が変化しやすいため、事前にチェックする
・下肢静脈エコー:肥満など下肢静脈血栓が生じる危険性が高い場合にチェックする
また、手術中の大量出血に対する準備として、事前に自分の血液を採取して保存する自己血貯血をすることがあります。自己血貯血は、採血しておいた自分の血液を必要時に輸血するというものです。子宮筋腫や前置胎盤など大量出血が予想される場合は、自己血貯血について医師から提案されることもあります。
予定帝王切開で出産すると決まったら確認すること
施設によっては、帝王切開を受ける妊婦さんのために、経腟分娩で出産する妊婦さんとは別に母親学級や両親学級、個別相談をおこなうところもあります。入院から産後の生活の流れや手術後の痛みのコントロール、産後の授乳について予習できるのでぜひ利用しましょう。
下記のようなことを、事前に確認しておくと安心かもしれません。
・手術で使用する麻酔方法、切開したおなかの傷のケア、術後の痛みについて
・帝王切開を受けた母体に起こる心身の変化
・手術中や手術後に受けられるケア(例:夫や家族の面会、赤ちゃんとの対面など)
・帝王切開後の授乳や母子同室について
・もし赤ちゃんがNICUに入院した場合に母親と赤ちゃんが受けられるケアについて
・手術予定日より前におなかが張ったり異常が起きたりしたときの対応について
また、病院の緊急連絡先や病院までの移動に利用するタクシー会社の連絡先を、妊婦さんだけでなく家族にもわかるように確認しておきましょう。
※参考:基礎知識(妊娠中)「【医師監修】予定帝王切開って何? 手術、退院までの流れを解説」【監修者:太田 篤之 先生産婦人科 | おおたレディースクリニック院長】
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