しまった場所を忘れてしまう…




母が突然、「大事な通帳がないの!」と慌て始めました。私も一緒に引き出しやバッグの中を探しますが、なかなか見つかりません。
すると母はだんだん不安そうになり、「もしかして……盗まれたのかも」とひと言。ところが、ふと冷蔵庫を開けると、食品の横に通帳が置かれていました。驚く私に、母は真顔で「ここなら安全でしょ」。思わぬ場所からの発見に、私は言葉を失ってしまいました。
【医師からのアドバイス】
高齢者が通帳などの大切な物を思いがけない場所にしまったり、しまったこと自体を忘れて何度も探したりする背景には、加齢による物忘れだけでなく、認知機能の低下が関係している場合があります。認知症では、置き忘れやしまい忘れが増え、探し物が多くなることがあります。 本人にとっては「確かにここに置いたはずなのに、なくなった」という感覚があるため、「誰かに盗られた」と強く疑ってしまうこともあります。そのようなときに「自分でしまったんでしょう」「誰も盗っていない」と強く否定すると、不安や不信感がさらに強くなることがあります。まずは「見つからないと心配だよね」「一緒に探してみよう」と気持ちを受け止めながら対応することが大切です。厚生労働省の認知症支援資料でも、物盗られ妄想などでは、本人にとって「物がなくなった」という体験は現実であるため、まず訴えを受け止めることが勧められています。 通帳や財布、鍵などは置き場所をできるだけ決め、家族も一緒に確認できるようにしておくと、探し物による混乱を減らしやすくなります。大切な物を何度もなくす、「盗られた」という訴えが繰り返される、金銭管理など日常生活にも変化が見られる場合は、認知機能の変化が隠れている可能性もあります。気になるときは、かかりつけ医やもの忘れ外来、地域包括支援センターなどに相談しましょう。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※一部、AI生成画像を使用しています。
シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように!
シニアカレンダー編集部
「人生100年時代」を、自分らしく元気に過ごしたいと願うシニア世代に有益な情報を提供していきます!