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父「息子が社長令嬢と結婚したら将来安泰だな」見合いの席で本音ポロリ→相手の父が放ったひと言

私は現在28歳の会社員です。実家で両親と暮らしていましたが、毎月生活費を渡すだけでなく、父からたびたびお金を頼まれ、ほとんど貯金ができませんでした。そんなある日、父から突然、取引先の社長の娘との見合いを持ちかけられます。気が進まないまま席に着いた私でしたが、そこで父が口にした言葉をきっかけに、これまでの親子関係を見直すことになりました。

 

実家暮らしなのに貯金できない毎日

職場では、私が実家暮らしだと知っている上司から、「家賃もかからないし、かなり貯金しているんだろう」と言われることがありました。

 

しかし、実際はまったく違いました。父は自営業をしていましたが、収入は安定しておらず、母は専業主婦。私は毎月、家で暮らすための生活費として5万円を入れていました。

 

問題は、それとは別に父からたびたびお金を求められていたことです。「今月、仕事の支払いが厳しい」「少し足りないから出してくれ」と言われ、1回につき数万円、多いときには10万円ほど渡すこともありました。そのお金が後から戻ってくることはなく、いつの間にか、父の仕事や家計で足りない分まで私が負担することが当たり前のようになっていました。

 

母も「お父さんも大変なんだから、助けてあげて」と言うことが多く、私がお金を出すことに疑問を持っている様子はありませんでした。

 

最初は、困っているなら仕方がないと思っていました。しかし、それが何度も続くうちに、私自身の生活にはほとんど余裕がなくなっていきました。給料日前には自由に使えるお金がほとんど残らず、昼食代を抑えるため、自分で握ったおにぎりを会社へ持って行くこともありました。

 

それでも私は、「一緒に暮らしているのだから、家族を支えるのは当然なのだろう」と考え、なかなか断ることができずにいたのです。

 

父が勝手に進めていた見合い話

そんなある日の夜、父から突然、「来週、見合いだ。日曜日は予定を空けておけよ」と言われました。理由を尋ねると、父は当然のことのように答えました。

 

「取引先の社長と家族の話をしていたら、お互いに独身の子どもがいるとわかってな。一度会わせてみようかという話になったんだ」

 

私は驚きました。これまで見合いの話など聞いたこともありません。

 

「俺は頼んでないよ。勝手に決めないでくれ」と断りましたが、父は「先方にはもう話をしてある。一度会うくらいいいだろ」と、聞く耳を持ちませんでした。

 

さらに父は、こう続けました。

 

「向こうの社長と親戚になれば、今まで以上に付き合いも深くなるだろ。うちの仕事にもいい影響があるかもしれないし、何かあったときには向こうの家にも頼れる。お前にとっても悪い話じゃないだろ」

 

その言葉を聞き、私は戸惑いました。私の将来よりも、自分の仕事上のメリットを期待して見合いを進めようとしていることが伝わってきたからです。何度か断りましたが、すでに日程も決めていると言われ、一度会った上で自分の意思を伝えようと考えました。

 

そして当日、私は両親とともに指定されたレストランへ向かいました。相手のA子さんは落ち着いた雰囲気の女性で、両親とともに私たちを迎えてくれました。最初は仕事や趣味などについて当たり障りのない会話が続き、特に問題なく時間が過ぎていきました。

 

 

見合いの席で父が口にした本音

やがて、父とA子さんの父親が仕事の話を始めました。普段から取引のある間柄ということもあり、会話は弾んでいました。父は勧められた酒を飲みながら、次第に上機嫌に。そして、笑いながらこんなことを口走ったのです。

 

「いやあ、息子が社長令嬢と結婚したら、うちも将来安泰だなあ」

 

私は思わず父の顔を見ました。しかし、少し酒が入って気が大きくなっていたのか、父は私の反応を気にする様子もありません。

 

「まあ、これを機に仕事のほうでも、今まで以上にいいお付き合いができたらありがたいですけどね」

 

と、A子さんの父親に言ったのです。

 

その瞬間、和やかだった場の空気が変わりました。すると、A子さんの父親が静かに言いました。

 

「娘の結婚と会社の取引は別の話です。娘が結婚したからといって、仕事上で特別な配慮をするつもりはありません」

 

父は「いや、そういう意味ではなくて……」と慌てて取り繕いましたが、気まずくなった場の空気は元には戻りませんでした。その後も何とか会話は続いたものの、どこか気まずい雰囲気のまま、その日の見合いはお開きになりました。

 

帰宅すると、私は父に切り出しました。

 

「父さん、今日の話だけど、俺の結婚を自分の仕事や家計のために利用するのはやめてほしい。A子さんやご家族にも失礼だよ」

 

父は「お前のためでもあるんだ」と反論しましたが、私は続けました。

 

「それだけじゃない。これまでみたいに、頼まれるたびにお金を渡すのもやめる。俺は家を出て、ひとりで生活するよ」

 

すると父は、「親を見捨てるのか」と声を荒らげました。以前の私なら、その言葉を聞いただけで罪悪感を抱き、また考え直していたかもしれません。しかし、この日は違いました。

 

両親を支えることと、自分の生活が苦しくなるまで言われるままお金を渡し続けることは同じではない。見合いの席で改めて父の本音を目の当たりにしたことで、ようやくそう考えられるようになったのです。

 

家を出て気付いた「支えること」の意味

その後、私は実家を出て1人暮らしを始めました。家賃や光熱費などの負担は増えましたが、父から生活費とは別にお金を求められることがなくなったため、以前より毎月の支出を把握しやすくなりました。少額ではありますが、貯金もできるようになっています。

 

実家を出た後も、両親から「今月だけ助けてほしい」と連絡が来ることはありました。しかし以前のように、頼まれたらすぐにお金を出すことはやめました。

 

しばらくして、母からパートを始めたことを聞きました。父も、仕事や家計の支出を見直すようになったそうです。

 

あの見合いがなければ、私は今も「親からの頼みを断ることは、親を見捨てることになる」と思い込み、自分の生活を後回しにしていたかもしれません。

 

実家を出てみて気付いたのは、家族を大切にすることと、頼まれたことをすべて引き受けることは同じではないということです。自分にできることとできないことを考え、その意思を伝えるようになったことで、ようやく自分の生活にも目を向けられるようになりました。

 

これからも両親とは無理のない距離を保ちながら、自分の人生については自分で選択していきたいと思っています。

 

--------------

家族を支えたいという気持ちでおこなっていた金銭的な援助でも、それがいつの間にか当然のこととして受け取られ、自分の生活まで圧迫してしまうことがあります。今回の出来事は、親の期待に応えることと、自分の人生を相手の都合に委ねることは同じではないと気付くきっかけになったようです。家を出て距離を置いたことで、主人公は両親との関係だけでなく、自分自身の暮らし方についても見つめ直せたのかもしれません。

 

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

 

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ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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