

「ひとりはたいへんやろ?」
幼稚園児の娘を連れて祖母の家へ遊びに行ったときのことです。祖母は90歳を過ぎており、足腰こそ少し弱っているものの、口はとっても達者で元気そのもの。行くたびにいつもニコニコと私たちを歓迎してくれます。
約半年ぶりに会った祖母は、年長になってはしゃぎ回る娘を愛おしそうに見つめながら「〇〇(娘の名前)も元気で、面倒みるのもたいへんやなあ」と言葉をかけてくれました。
私は「今のところ大丈夫だよ! パパがすごく協力してくれるんだ~!」と答えると、祖母は私の言葉に「そうかい。えらいねえ、あんまり助けてくれんかったおじいちゃんとは大違いやわ」と笑い、「しんどいときなんかも、ちゃんと助けてくれるんかい?」とやさしく聞いてくれました。
そのため、私は「うーんと、風邪はそんなにひかないけど、生理でつらいときとかは、むしろ率先して家事とか育児をしてくれるよ!」とありのままを伝えました。
いつもと違う表情の理由と、祖母の告白
私の言葉を聞いた瞬間、祖母は少し驚いたような顔をしました。
そして「あんた、お父さん(夫)にそのことを言うとるんかい?」と尋ねてきたのです。
「そのこと」が生理であると、瞬時に理解した私は「うん、言ってる。『起き上がれないときもあるだろうから、ちゃんと教えてね』って、パパから言われてるんだ」と返すと、祖母は少し言葉を止め、何かを考え込んでいるような表情を浮かべました。
そして、しばらくして祖母は「おばあちゃんのときはねえ……」とぽつりぽつりと語り始めました。
祖母たちの時代は、男性……夫にも生理の話をすることはなく、むしろ生理は男性には「知られないように隠しておくべきもの」という感覚が当たり前だったと言います。
私の話を聞いて、祖母は昔の自分たちの常識との違いにとても驚いていました。
長年の常識を超えて
そして祖母は、「昔は言わんのが当たり前やと思っとったけど、今はちゃんと言えるんやね。つらいことは言ったらええんやね」とぽつりと言いました。
付け加えるように、「もうおばあちゃんは何も出んから、そんなことで休ませてもらいはせんけどね」と言って笑った祖母。私もつられて思わず笑ってしまいました。
もしかしたら祖母は、生理でつらい思いをしていたのかもしれません。それでも、当時の「言うべきではない」という常識から、夫である祖父にも言えず、一生懸命、家事に育児をこなしていたこともあったのでしょう。祖母の中に深く根付いていた常識ではありますが、現在は生理への理解も深まり、そうした考え方も少しずつ変わりつつあります。
そんな時代の変化を、「おかしい」と思わず、理解しようとしてくれる祖母の姿勢が、なんだかとても素敵だなと感じた瞬間でした。
祖母の話を聞き、私たちが今、しんどいときに『しんどい』と言えることは、決して当たり前ではないのだと感じました。祖母が長年の常識にとらわれず、今の時代の支え合いを「良いことだね」と受け入れてくれたことは、とてもうれしかったです。夫という大切なパートナーだからこそ、我慢せずに体調を伝えて助け合うことの大切さを、改めて実感した1日になりました。
著者:藍田みのり/30代女性・夫、娘1人と暮らす専業主婦。地方銀行、貿易事務、保育園・障害児施設の運営などに従事。趣味は紅茶とゲーム。最近は家族で、公園や遊び場、観光スポットを開拓しています。
作画:ののぱ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)
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