義姉は実家へ帰っているはずなのに
兄がA子さんと結婚して数カ月がたったころのことです。ある日、兄から「A子のお母さんが体調を崩したみたいで、しばらく実家に帰ることになった」と聞きました。
A子さんの母親は家事をするのも大変な状態だと聞いており、A子さんは身の回りのことを手伝うため、数週間ほど実家で過ごす予定とのことでした。
兄は「俺も何か手伝おうか?」と声をかけたそうですが、A子さんからは「私だけで大丈夫。あなたは仕事もあるし、気にしないで」と言われたとのこと。
兄は少し寂しそうでしたが、「お義母さんも心配だし、今はA子にそばにいてもらったほうがいいよな」と話していました。
私は、家族のことだから大変だろうなと思ったものの、特に気に留めてはいませんでした。
ところが、それから数日後のことです。
「今日は夫とデートなの」
仕事が休みだった私は、買い物のため外出していました。すると、偶然A子さんと出くわしたのです。
実家にいると聞いていたので少し驚きましたが、A子さんの実家も同じ市内です。買い物などで外出することもあるだろうと思いました。ただ、その日のA子さんは、いつもよりずいぶんおしゃれをしていました。
私が何げなく「今日はずいぶんおしゃれですね。どこかにお出かけですか?」と尋ねると、A子さんは一瞬戸惑ったような表情を見せた後、「今日は久しぶりに夫とデートなの」と答えたのです。
お母さんの体調が悪いときにデートなんてして大丈夫だろうか……? と内心で思いつつも、A子さんが急いでいる様子だったので、私は「そうなんですね。楽しんできてください」と言って別れました。
ところが、その夜に兄と話していると、「え? A子は今日、俺とは会っていないよ。デートの予定なんてなかったけど」と言われたのです。
私は思わず、「え?」と聞き返しました。兄はしばらく黙った後、「ちょっとA子に確認してみるよ」と答えて電話を切りました。では、A子さんが言っていた「夫とのデート」とはいったい何だったのでしょうか。
食い違う説明に兄が感じた違和感
兄はその後、A子さんにその日の行動について尋ねたそうです。するとA子さんは、「ちょっと買い物に出ただけ」「すぐ実家に戻ったよ」と説明したとのこと。
しかし、私にはたしかに「夫とデートする」と話していました。兄がそのことを伝えると、今度は「冗談で言っただけ」と説明したそうです。
最初は兄も、何か事情があるのかもしれないと思ったそうです。しかし、話をするうちに説明が少しずつ変わっていったため、違和感を拭えなくなり、A子さんと改めて話し合うことにしました。
何度か話し合った結果、A子さんは実家にいると話していた期間中、兄に黙って別の男性の家に滞在していたことを認めたそうです。A子さんは当初、「ただの友人」と説明していたそうですが、その後の話し合いで、その男性と交際関係にあったことも認めたそうです。
兄にとっては、A子さんがほかの男性と会っていたことに加え、そのために「母親の体調が悪い」とウソをついていたことも、許せなかったようです。
信頼が崩れて気付いたこと
その後も兄とA子さんは何度か話し合ったそうです。兄は、今回の出来事だけでなく、結婚してから感じていた考え方の違いについても改めて振り返ったと話していました。一度失った信頼を取り戻すことは難しく、このまま夫婦として生活していくことはできないと判断したそうです。
その後も話し合いを重ね、最終的に2人は離婚することになりました。
兄にとってはつらい結果になりましたが、感じた違和感を曖昧にせずA子さんと話し合ったことで、夫婦として今後どうするかを考えるきっかけになったのだと思います。
私自身も、夫との日々を大切にしながら、相手を信頼することと、気になったことをきちんと確かめることの両方を忘れずにいたいと感じた出来事でした。
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不倫という行為そのものはもちろんですが、それを隠すために「母親の体調が悪い」と事実ではない理由を持ち出したことで、家族まで巻き込んでしまったことにも大きな問題があったように感じます。今回の出来事は、自分の行動を隠すためについたウソが、身近な人との信頼まで損ねてしまうことを考えさせられるエピソードでした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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