5歳息子を乗せた走行中の絶体絶命

両親の介護施設へ向かう道中、5歳の息子を乗せた車内で私の心臓が突然激しく鼓動し始めました。ハンドルを握る手がじっとりと汗ばみます。
ここで意識を失えば、隣に座る息子を巻き込む大事故になる。その恐怖にあらがいながら、必死の思いで近所のレストランの駐車場へ車を滑り込ませました。
停車したものの、動悸は治まりませんでした。パニックを抑えて119番通報をすると、ほどなくして救急車が到着し、隊員の方々が車を邪魔にならない場所へ移動させてくれました。
搬送先の病院で下された診断は「不整脈」。幸い、ベッドで安静にするだけでその日のうちに退院できましたが、心に刻まれた恐怖は想像以上に深いものでした。
あの日以来、私は二度と自分でハンドルを握ることができなくなりました。思い出すだけで足がすくむほどのトラウマ。原因ははっきりしませんが、介護や育児の中で知らず知らずのうちに限界まで無理を重ねていたのかもしれません。改めて、普段からの健康管理がいかに大切であるかを痛感しました。
何より私を驚かせたのは、5歳の息子の姿でした。取り乱す私を前に、息子は最後まで信じられないほど冷静に、じっと寄り添ってくれたのです。その存在があったからこそ、私は最後まで理性を保つことができました。
◇◇◇◇◇
もしひとりだったら、パニックに飲み込まれ、取り返しのつかない事態を招いていたかもしれません。小さな背中に守られた事実は、今の私にとって大きな救いとなっています。今は無理に運転を再開しようとはせず、この教訓を胸に、静かに日々を過ごしています。
医師による解説:「突然の動悸」の正体
運転中に起こる急な動悸や不整脈には、過労や精神的ストレスなどが関係している場合があります。今回のように「おかしい」と感じた瞬間に停車し、自ら助けを求めた判断は、重大な事故を防ぐうえで適切な対応でした。
動悸は体からの重要なサインです。たとえ一時的に治まったとしても放置せず、循環器内科などを受診して精密検査を受けることが、自分と家族の安全を守ることにつながります。
監修/菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)
地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
著者:山田花子/50代女性・パート
イラスト:sawawa
夏場にまさかのヒートショックのような状態と説明された体験

私が住んでいる県は避暑地として有名ですが、ここ数年当たり前のように連日30度を超え、35度を超える日も珍しくなくなってしまいました。
都会から避暑に来る方々は「都会に比べると、同じ気温でもからっとしていてラクに感じる」「都会に比べて朝晩はそれでも気温が下がる」などと言いますが、ずっと住んでいる身としてはこの暑さはかなりのもの。日中の暑さが部屋にこもり、夜も連日寝苦しいです。
エアコンをつけて寝れば良いのでしょうが、私は昔からエアコンが苦手。そのため、寝る前にエアコンをつけて部屋の温度を下げ、寝るときには切るようにしていますが、寝苦しくて起きてしまい、睡眠時間が短くなることもしばしば。
また、この時期はコンビニをはじめどこも冷房が効いていることが多く、入った瞬間は「涼しくて気持ち良い」と思っても、じきに寒くて仕方なくなってしまい、あまり長居ができないこともあります。屋外は暑くてたまらない、屋内は寒くてたまらない、と感じ、この時期はますます外出が億劫(おっくう)になっていました。
ある日、スーパーで体調不良に
その日も外気温は35度を超えていました。自宅から30分ほど車に乗ってスーパーに到着。運の悪いことに、車の調子が悪く、エアコンの効きが悪くて、窓を開けて走行していた状況でした。
車内はかろうじて日陰にはなっているものの、エアコンから涼しい風はほとんど出ておらず、外から入ってくる風が頼りという状態。暑くて少し汗をかきながら、やっと目的地に到着したのでした。
そのせいもあったのでしょう。車を停めて、いつものようにスーパーに入ったところで、突然体調不良に。スーパーの扉が開き、流れてきた冷風に「気持ち良いなぁ」と喜んだのもつかの間、キーンと耳鳴りがし、血の気が引く感じを受けました。
けれど、貧血持ちの私にはどちらもよくあることだったので、あまり気にせず、支えになる壁を探そうとそのまま歩いていました。
慣れた場所なので、迷わず壁側へ歩いて行ったのですが、一歩進むごとに視界が暗くなっていくような気がして……気が付いたら、私は床の上に倒れていました。
その後、駆け付けてくれた店員さんたちが救急車を呼ぼうかという話になりましたが、意識がはっきりしていたこともあり、救急車ではなく家族を呼んでかかりつけの内科に連れて行ってもらいました。
医師からヒートショックの可能性を説明されて
ヒートショックというのは、最近よく耳にするようになった言葉の1つですが、私はてっきり冬に起こるものだと思っていました。冬場、暖かい部屋から寒い脱衣所を経由して熱めの湯船に浸かるなどの状況がよく例として挙げられており、主に高齢者に注意喚起しているイメージだったのです。まさか自分が、しかも夏場にヒートショックになるとは思ってもみませんでした。
診察してくれた医師によると、寒暖差が大きい場所では血圧などが変動しやすく、目安として10度以上の温度差には注意が必要とのこと。高齢者や生活習慣病のある人だけでなく、誰にでも起こる可能性があるそうです。私はいわゆる「特にヒートショックに気を付けたほうが良い人(高齢者、高血圧・糖尿病等、肥満など)」には該当していません。
しかし、エアコンの効かない暑い車内からスーパーという特に涼しい店舗に急に移動したことに加え、疲労や睡眠不足がたまっていたことやもともと貧血を起こしやすく血圧が低い体質などが影響し、急激な温度差による血圧変動などが影響し、ヒートショックのような状態になった可能性があるとのことでした。
また、加齢とともに体温調節や血圧を調整する働きが変化しやすくなることも影響するようで、以前は耐えられていた刺激にも、耐えられなくなることは多くあるという話も聞きました。
その日、病院に着いたころにはかなり回復していたこともあり、ひと通りの診察を終えた後は特に治療することもなく帰宅が許されましたが、医師からはとにかくまずは良く休み、数日はなるべく外出を控えるよう言われました。
◇◇◇◇◇
てっきり冬場に起こるとばかり思っていたヒートショック。急激な温度差が引き金になるため、夏場にも起こる可能性があるということを初めて知りました。
地球温暖化が進み、猛暑日や酷暑日などが増えた今、電車の乗り降りや外出時の店舗の出入りなど、改めて考えると温度差のある移動は結構多いように感じます。
若いときなら耐えられたかもしれないことが耐えられなくなりつつある今、日々の生活習慣を整え、気を付けながら生活していきたいと思います。
監修/菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)
地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
著者:小沢ゆう/40代女性。長野県在住。低体温&極度冷え症脱出めざして、温活に夢中。
イラスト:マメ美
まとめ
突然の体調不良は、年齢や季節にかかわらず起こることがあります。今回の体験談からは、異変に気付いたときの判断や、日ごろの疲れを見過ごさないことの大切さが伝わってきます。思いがけない場面で表れる体の変化について、改めて考えさせられるエピソードでした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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