目の前で起きた当て逃げ事故
私は夫と子どもと暮らしています。ある日の夕方、仕事を終えて自宅へ向かっていると、自宅まであと数十メートルという場所で突然、「ドン!」という大きな音が響きました。
顔を上げると、赤いバイクが自宅の塀にぶつかり、運転していた男性が道路に転倒するところでした。パッと見たところ、まだ10代くらいに見える若い男性。彼はすぐに立ち上がると、バイクを起こしてそのまま走り去ってしまったのです。
「ちょっと、待って!」
思わず声を上げましたが、バイクはあっという間に見えなくなってしまいました。幸い、近所の方も事故を目撃しており、防犯カメラにも映像が残っていたため、私は警察へ被害を届け出ました。
数日後、警察から「相手が判明しました」と連絡を受けたのですが……。
謝罪どころか父親が逆ギレ!
ある日の夕方、自宅のインターホンが鳴りました。玄関を開けると、「事故を起こした息子の父です」と名乗る中年の男性が立っていました。
私はてっきり、塀の修理について話し合いに来てくれたのだと思いました。ところが、男性は開口一番、「お宅のせいで、うちの息子はケガをしたんだ!」と声を荒らげたのです。
さらに、「あんたの家の塀が道路側に出っ張ってるからだろ!」「こっちが被害者なんだから、治療費を払ってもらう!」と、一方的にまくし立てました。
私はあまりの言い分に言葉を失いました。こちらは塀を壊され、相手はそのまま逃げた側です。それなのに謝罪どころか、私が責められているのです。
私は冷静に、「事故については警察にも届けています。治療費などについては、保険会社を通してお話ししてください」とだけ伝えました。しかし父親は納得する様子もなく、「絶対におかしい!」と言い残して帰っていきました。
警察に相談した結果…
あまりにも理不尽だったため、私は事故を届け出た警察署へ相談しました。
事情を説明すると、警察官からは「現場の状況などを見る限り、バイク側の前方不注意が事故の原因として考えられる」との説明を受けました。
また、父親が主張していた「塀が道路側に出っ張っている」という点についても、現場を確認した限り、そのような状況は見受けられないと言われ、胸をなで下ろしました。
後日、相手側にも事故の状況が改めて伝えられたようで、それ以降、父親から治療費を求められることはありませんでした。さらに、相手方の保険会社とのやり取りを経て、壊された塀の修理費は全額補償されることに。
あれほど強い口調で「こっちが被害者だ」と言っていた父親でしたが、結局、私たちが治療費を支払うことはありませんでした。
最後まで、父親や運転手本人から謝罪の言葉はありませんでしたが、その後は直接連絡してくることもなく、騒動はようやく終わりました。
今回の出来事で実感したのは、理不尽だと感じる要求をされても、その場で感情的に言い返したり金銭の約束をしたりせず、警察や保険会社など、適切な窓口へ相談することが大切だということです。
また、万が一事故を起こしてしまったときこそ、相手に責任を押しつけるのではなく、誠実に対応する姿勢を忘れてはいけないと感じました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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